「Lalitpur」代表・向田麻衣さん【前編】「ストーリーだけでなく、ロゴやパッケージも大事に」

わたしたちのコスメのはなし
2017.02.08

ヘアメイク・草場妙子と、エディター柿本真希が、素敵だと思う方々に、普段使っているコスメを通してその人の“綺麗のモト”を伺うこの連載。

第8回のゲストは、「Lalitpur(ラリトプール)」代表の向田麻衣さん。オーガニックスキンケアブランドを立ち上げた向田さんは、ブランドを始めるきっかけとなった「Coffret Project」という化粧を通じた女性支援の活動を通じて、たくさんの化粧品ブランドの方と出会い、交流を深め、ご自身も色々使ってみてきたそう。そんな彼女の綺麗のモトについてお話を伺いました。

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草場「私が“Lalitpur”を知ったのは、南青山の“HEIGHTS(ハイツ)”というお店です。その後に偶然お店の前を通った時に冊子を頂いて、それを読んで感銘を受け、ますます興味がわきました。まずは、このお仕事を始めるきっかけになったネパールでの活動についてからお話を伺ってもいいですか?」

向田さん「26歳の時に“Coffret Project”を立ち上げ、ネパールの女性たちにお化粧を楽しんでもらうW.Sという活動をスタートしました。そういった活動によって生まれたのが“Lalitpur”というスキンケアブランドです。興味を持って頂けて嬉しいです」

草場「W.Sをなさっていた時に、ゆくゆくはこうやってモノづくりをしたいと考えていらっしゃったんですか?」

向田さん「いえ。そこまでは考えていませんでした。ネパールに仕事を作ることが出来て、女性たちが仕事をすることが出来るようになったら、と考えた結果、この形となりました。それがスキンケアブランドでも食関連でも、形はなんでも良かったんです」

草場「そうなんですね。まずは“ネパールで作れるもの”を基本に考えられたのでしょうか?」

向田さん「ネパールで作れて、かつ、きちんと競争力を持った製品として成り立つもの、というのが目標でした。そして、ヒマラヤで採れる希少な“ジャタマンシー”という植物の効能がとても高いことを知り、これを使って何かを作れたらと考えました。現在は工房の女性7人と、シェルター(保護施設)の女性たちと一緒に、ソープやクリームバームなどを作っています」

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草場「ネパールの女性の為、という信念にとても感動しますが、それだけでなくパッケージデザインもとても素敵です」

向田さん「嬉しいです。そこにはとっても気を配っています。社会貢献の為に買うという形だと、長く愛用して頂きにくいと思うんです。使い心地や素敵なデザインがあってこそ、長く愛用して頂けると思っていて。ロゴとパッケージにはこだわりました」

草場「ロゴとパッケージ、どちらもとても素敵です。どなたのデザインなんですか?」

向田さん「“SIRI SIRI(シリ シリ)”のデザイナー岡本菜穂さんにお願いしました。彼女はネパールにも一緒に来てくれたのですが、行き慣れてしまった私とはまた違った、新鮮な目でネパールを感じてデザインしてくれました。お陰でとっても素敵なパッケージやロゴが出来上がり、とても嬉しいです」

草場「今日のピアスも“SIRI SIRI”ですよね。とってもお似合いです。美しいパッケージやお店ですが、私たちには想像がつかない苦労もきっとありますよね」

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向田さん「大変なことだらけですー!(笑)。天然由来の原料をそのまま扱うこと、インフラの整っていないネパールで製造することなど、大変なことは多いです。例えば、コールドプロセス製法で作られている私たちのソープは、日々熟成しているので汗をかきます。それによってパッケージにオイルがしみ出してしまうことも。でも、野菜の形がそれぞれちょっとずつ違うように、ソープも生き物だと思って理解して受け止めてくれたら嬉しいなぁと思います」

草場「そうですよね。お店に製品として並んでいると、自然のものを扱っているという感覚が無くなるんだと思います。そこの意識が少しずつ変わっていくといいですよね。それにしてもこの石鹸のパッケージのピンク、とても美しいです」

向田さん「これは日本の伝統色であるつつじ色です。そして、つつじはネパールの国のお花なんです。それでパッケージにこの色を選びました。紐の結び方は“八字結び”といって、日本の伝統的な結び方です。これもネパールの女性たちに結び方を教えて結んでもらっています」

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草場「向田さんもこの石鹸で洗顔していらっしゃいますか?」

向田さん「はい。私は基本的にシンプルケアで生きてきたので、この石鹸が合っているんです」

草場「洗顔した後は、どういったケアをなさっていますか?」

向田さん「洗顔後は“NEROLILA Botanica(ネロリラボタニカ)”のミスト、“SHIGETA(シゲタ)”の美容液、乳液を使っています。“SHIGETA”のこの乳液と美容液は、オーガニック特許成分であるコラフラボンを配合しているとのことで、その成分が気になって使い始めました」

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草場「スキンケアはどういった観点で選んでいますか?」

向田さん「“NEROLILA Botanica”も“SHIGETA”も、どちらも作っている方と友達です。元々愛用はしていましたが、作っている方と実際にお話して想いや情熱を感じると、更にそのブランドへの愛が深まります。作り手さんの顔が見える商品にはやはり手が伸びますね」

草場「そうですね。私も使い心地やパッケージだけでなく、ブランドの理念や姿勢なども気になります。“Lalitpur”のバームはどういった時にお使いですか?」

向田さん「手のひらでよく温めて、それから肌にプレスしていく感じです。日ごろはファンデーションを使わない日が多いので、乾燥が気になる時にはしょっちゅう使っています」

草場「ファンデーションはあまり使わないとのことですが、日焼け止めや下地はお使いですか?」

向田さん「“SHIGETA”の下地を愛用しています。香り、テクスチャー、仕上がり、どれも気に入っていて」
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草場「私もこの下地はとても好きです。ファンデーションは全くお使いにならないんですか?」

向田さん「今日は使っています(笑)。取材なのできちんとしなきゃと思って。ファンデーションをたまに使う時には、“ADDICTION(アディクション)”のデューイ グロウ ファンデーション01と、フェイスパウダー003を使っています」

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草場「アイシャドウもお使いですよね? 綺麗な色だなぁと思いました。私も最近改めてアイシャドウに注目していて。アイシャドウも“ADDICTION”ですか?」

向田さん「二重の幅にちょこっと使っています。発色がとても綺麗なんです。N.Y.でも“ADDICTION”のディレクターのAYAKOさんとお会いする機会があって、この色が似合うとか色々アドバイス頂いて。おすすめ頂いたものを使っています」

photo:加藤 望 edit&text:柿本真希

→後編へ続きます

Profile

向田麻衣

Mai Mukaida

高校在学中にネパールを訪問し、女性の識字教育を行うNGOに参加。2009年にCoffret Projectの活動を開始。約5000点の化粧品をネパール、トルコ、インドネシア、フィリピンに届け、延べ1500人の女性達に化粧ワークショップを通じて女性が本来持っている自信や尊厳を取り戻すきっかけ作りを行う。2013年5月にネパール発のナチュラル化粧品ブランドLalitpur(ラリトプール)をスタート。
http://lalitpur.jp

草場妙子

Taeko Kusaba

1979年、熊本生まれ。2006年独立。雑誌や広告、CMなどで幅広く活躍するヘアメイクアップアーティスト。コスメ好きが高じて、インスタグラムではおすすめの美容アイテムを紹介。
http://kusabataeko.com
Instagram:https://www.instagram.com/kusabataeko/

柿本真希

Maki Kakimoto

フリーランスエディター・ライター。二児の母。様々な媒体やカタログにて、編集・執筆・連載・インタビューを担当。ニュージーランドにて母子留学を2年半。2014年秋に帰国後、エディター・ライター、ディレクターなど多岐にわたり活躍中。
http://www.makikakimoto.com
Instagram:https://www.instagram.com/makikakimoto/

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