身体も心もほっとするやさしい料理 vol.1

からだ修行
2017.02.22

今月の先生・「食とセラピー ていねいに、」cayocoさん

前回の先生・鍼灸師の福田倫和さんに続き、今回も西荻窪の定食とマッサージのお店「食とセラピー ていねいに、」を取材をさせていただきました。先生としてご登場いただくのは、平日の朝ごはん、昼ごはんを担当しつつ、セラピストとして、ゆるタイマッサージ、リフレクソロジーの施術も行っているcayocoさん。春の毒出しシーズンにぴったりな、デトックススープのレシピも教わりました。

photo:砂原 文 text:田中のり子

「自分の健康は自分でつくる」という考えをもとに、日々の食事とセラピーを提案している「ていねいに、」。この場所を訪れる人々の多くが、こちらの定食を楽しみにやって来ます。その「食」を担当しているのが、今回ご登場くださるcayocoさん。

12_002
見た目だけで、「この人が作るごはんは、絶対おいしいはず」と、直感で伝わってくる人がいますが、cayocoさんもまさに、そんなひとり。素材を扱うやさしくてていねいな手元と、まわりをふんわりと包む澄んだ空気は、不思議と大きな安心感を与えてくれます。

12_031
彼女が手掛けるのは、長野「穂高養生園」で学んだというマクロビオテックをベースに、独学を重ねて自由な発想で工夫された家庭料理です。ある日の定食はこんな感じ。玄米小豆ごはんに大根の重ね煮(レシピはvol.3でご紹介します)を使ったお味噌汁、黒にんじんの春巻き、菊いものオイル煮、ローストにんじん&ビーツのマリネ、わさび菜の磯あえ。

動物性の素材は使っていませんが、材料となる野菜たちの味わいが力強く、油もふんだんに使ったボリュームのある調理法で作られているため、食べ終わったあとにもしっかりとした満足感が残ります。

黒にんじんや菊いもといった、ちょっぴりめずらしい野菜も使っているので、「これは何だろう?」「どうやって料理されているんだろう?」と、食べ進めるごとにワクワク感も感じられます。ご近所さんは、こんな定食を身近にいただけるのですから、何ともうらやましい限り。

12_008
「お店で使っているお野菜は、埼玉県小川町の『サンファーム高橋』さんから届いたものをメインに、近所で栽培された有機野菜を販売している西荻窪の八百屋さんや、週末に青山で開催されているファーマーズマーケットに足を運んで探しています。

でも無農薬栽培か慣行栽培かといったことにすごくこだわっているわけではなく、それよりも元気そうな野菜を選ぶことを大切にしています。エネルギッシュで力強いものを口にすることが、元気でいられることのいちばんの秘訣だと思っていますから」

12_010
戦後間もなくから無農薬のお米を育て始めたという農家のお祖父さま、食卓に並べる素材は無農薬や有機栽培のものばかりだったというご両親のもと、5人兄妹の4番目として、大家族の中で育ってきたcayocoさん。健やかに育てられた旬の素材を口にするのが当たり前の食生活で、上3人は男兄弟、お母さまが子育てに忙しかったということもあり、小学生の頃から自然と台所に立つようになりました。

12_011
お腹が痛いときはお母さまが手を当てて、風邪をひいたら温かい食べ物を食べ、汗をかいて治す。不調のときも、化学合成された薬をまったく飲むことがなかったといいます。子ども時代は健康でスクスクと育っていたそうですが、何と15歳のときに鬱病、20歳のときには腹水が溜まるという大病を経験しました。その原因をふりかえると、付き合いや好奇心で口にするようになったジャンクフードや、度重なる外食など、食の変化が身体に大きな影響を与えていたのだと思い当たったそう。

それらの病気も、心の気づきと食生活の改善で、少しずつ治癒していきます。そして食べ物が生きる力を与えてくれたり、体調を整えてくれたりするとともに、今とこれからの自分をつくっていてくれるということを強く実感したそうです。


→vol.2へ続きます

 

第1回「頭も心もとろんとろんになるヘッドマッサージ」はこちらから
第2回「身体にふれることで、ありのままの姿を観察し認識するセラピー」はこちらから
第3回「身体を土台から整えていく、究極のインソール」はこちらから
第4回「天然ヒノキ&酵素のチカラで、ツルツルほかほか」はこちらから
第5回「家庭の薬局として、はちみつを見つめ直す」はこちらから
第6回「腸活は、自分の体質に合ったものを!」はこちらから
第7回「生理&骨盤底筋トレーニングで、明るく体と向き合う」はこちらから
第8回「自分を知ることで自己治癒力を引き出すホメオパシー」はこちらから
第9回「冷えとり歴 23年目の、冬の過ごし方」はこちらから
第10回「心に効くから、からだも思考も変わるフラワーエッセンス」はこちらから
第11回「古くて新しい、お灸の魅力を再発見」はこちらから

食とセラピー ていねいに、

12_054

東京都杉並区西荻南1-18-11
TEL:090-3452-3354
営業時間:【食】火18:00~21:00(LO)、水~金9:00~14:00(LO)、18:00~21:00(LO)、土・日12:00~16:00(LO) 【セラピー】10:00~21:00
定休日:月曜
http://teineini.com/

Profile

cayoco(かよこ)

マッサージサロン、飲食店勤務などを経て、「食とセラピー ていねいに、」のゆるタイマッサージ、リフレクソロジー、平日の朝ごはん&昼ごはん担当に。東日本療術協会認定セラピスト、タイ文部省認定タイ古式ライセンス取得。現在、旅のレシピ本『foodleters』を制作中。

田中のり子

noriko tanaka

衣食住、暮らしまわりをテーマに、雑誌のライターや書籍の編集を行う。『ナチュリラ』(主婦と生活社)は創刊当初からのスタッフ。構成・執筆をした『これからの暮らし方2』(エクスナレッジ)が好評発売中。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

ページトップ