【特集】アニメーション監督・堤 大介さんspecialインタビュー vol.4 子どもとの時間と日々持ち歩くアイデアスケッチ帳

”つくる人”を訪ねて
2017.04.30

ピクサーで活躍後、アカデミー賞ノミネート作品を手掛けた
堤 大介さんのプライベートと愛用品

本web連載「“つくる人”を尋ねて」の特別編として、堤さんにさまざまなお話を伺ってきましたが、最後はちょっと気になるプライベートや愛用品のお話も!

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photo:成田由香利 text:大塚美夏

暮らしとおしゃれ編集室(以下、編):堤さんは5歳の男の子さんのパパでもいらっしゃるということで。

堤さん:はい。今は幼稚園に通っていて、今年の9月からキンダーという、日本でいう小学校一年生になります。 

:お子さんは当然、パパの作品は観てますよね? 

堤さん:ええ。「ダム・キーパー」ができたときはまだ2〜3歳でしたが、ブタくんがいじめられている場面などはちゃんと理解していたし、彼自身絵を描くことも好きみたいです。幼稚園で将来なにになりたいか聞かれたときに「ダム・キーパーをつくる人になりたい」と答えたそうで(笑)

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:それはお父さんとしては嬉しいですよね! 端からみてもお忙しいのは容易に想像がつきますが、おうちの中で子育ての役割分担みたいなものはあるんでしょうか? 

堤さん:それに関しては……(苦笑)妻は言いたいことがいっぱいあると思うのですが、僕としては夜ご飯だけはなるべく3人で一緒に食べるようにしています。うん、おそらく日本のお父さんよりはそれはちゃんとできてると思います!(笑)ミーティングなどの予定が入っていない限り、週の8割は家で夜ご飯を食べています。食べたあとにまた仕事に戻れる環境であることも大きいんですけどね。 

:いいですね! ご家族にとって大切な時間ですね。では朝は?? 

堤さん:妻と子どもは朝が遅いんです(笑)僕が出かけるときはまだ寝てるので。本当は朝ご飯も3人で食べられたら理想なんですけどね。 僕の休みは今週に一度で、忙しい時はなかなか家のことを手伝えないのですが、子どもと遊ぶのはもちろん、(赤ちゃんのころは)おむつを変えることも全然苦手ではなかったです。 

:奥さん、あちらでとってもなにか言いたい顔をされてますが(笑) では、お子さんがいることで作品づくりに影響することはありますか? 

堤さん:もちろんたくさんありますよ。「ダム・キーパー」の制作中はまだ1歳くらいだったんですが、主人公のブタくんがもう息子にしか見えなくて(笑) 次の「ムーム」のときは3歳になっていたので、息子の動きを動画に撮ってスタッフに送ってムームの動きの参考にしてもらったりもしてましたね。 でも一番は、自分に残された時間で子どもたちのよりよい未来のために、なにができるかを考えるようになったことは、必ず作品を作る原動力になっていると思います。目先のことだけでなく、大人が今どう動けば子どもたちが元気で楽しく生きていけるかということなどを誠実に考えながら、作品を作っていかなければと思うようになりました。アニメーションで何ができるのかはわからないし、まだまだ理想の域は越えないのですが。そこを目指さないといけないし、物を作る者として、一つの使命だとは思っています。

:今日は、普段お持ちのスケッチ帳もお持ちいただいたんですよね。 

堤さん:はい。この「モレスキン」のものは、厚紙で色つきというのが気に入っていてリピートしています。小さいほうは普段に、大きいほうは旅のときに携えています。日常や旅先で見たものや、ふと思いついたアイデアを書き留める覚え書きで、日記のようなものですね。

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大きな手帳には、堤さんのスケッチの横に息子さんの落書きも。小さな手帳に描かれた女性は奥さま(似てます!)。色彩をほどこしたものは旅をしたスリランカの風景。

堤さん:ここ最近に探し当てたものではあるのですが、ペンにもちょっとこだわりがあって、これは書き味がとてもよくて。なめらかさや線の出方が抜群なんです。

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ボールペンは日本の「ゼブラ」のもの。手帳は1年に3〜4冊消費するそう。 

:絵の具と絵筆も! さすがに年季が入っていますね。

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堤さん:絵の具は水彩で「ウィンザー・ニュートン」という老舗のメーカーのものなんですが、いい絵の具は7〜8年は持つんです。絵の具って色をたくさん揃えたくなりますが、若いころに「絵の具はたくさんいらない、色は自分でつくるものだ」と教わりまして。ほぼ変わらずこのくらいの色数のラインナップですね。絵の具と絵筆、そしてパレットは普段は持ち歩かないのですが、旅先には必ず持って行きます。  

 

〜インタビューを終えて〜

世界を舞台に活躍する堤さんのクリエイションにかける想い、裏話、プライベートのことまで、たくさんのお話をうかがいました。思ったことは、作品にはやはり人柄が表れるものなのだなぁ、ということ。流行や今っぽさだけを追いかけるのではなく、何かの真似ではない小手先でもない真摯なものづくりへの姿勢と、人としての心の温かさを感じました。 これからも心に響く作品を楽しみにしています。ありがとうございました。

**おまけ**

インタビューをさせていただいた記念に「ダム・キーパー」のバッグを買っちゃいました! かわいいイラストはもちろんのこと、デニム×イエローのカラーリングもおしゃれ。

トンコハウス公式オンラインショップで買えます!

 

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Profile

堤 大介(つつみ・だいすけ)

東京都出身。School of Visual Arts卒業。Lucas Learning、Blue Sky Studioなどで「アイスエイジ」や「ロボッツ」などのコンセプトアートを担当。2007年ピクサー入社。アートディレクターとして「トイ・ストーリー3」や「モンスターズ・ユニバーシティ」などを手がけている。2014年7月ピクサーを退社し、トンコハウスを設立。71人のアーティストが一冊のスケッチブックに絵を描いて、世界中に回したプロジェクト「スケッチトラベル」の発案者でもある。

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