疲労を回復するための正しい姿勢ってどんなもの? vol.1

からだ修行
2017.05.17

今月の先生:「疲労回復専門店PAUSE」丸山祥一さん

日々の疲れの原因が、自分の姿勢が悪いからでは……と考えている人も多いのではないでしょうか。今月は東京・吉祥寺で「疲労回復専門店PAUSE」を主宰する丸山祥一さんに、姿勢や背骨についてのお話を伺いました。

photo:砂原 文 text:田中のり子

 

原稿執筆シーズンに突入すると、一日に12時間近くパソコンとにらめっこ。そうするうちにどんどん姿勢が悪くなって、腰痛が悪化して、一日の終わりにはぐったりして眠る……。そんな日々をくりかえして早十数年。「はたして私の姿勢は、これでいいのだろうか」「姿勢がよくなったら、こんなに疲労がたまらないのでは」。そんな思いがフツフツと溜まっていた今日この頃。そんな疑問を胸に、「すごい人がいる」と噂になっていた「疲労回復専門店PAUSE」なるサロンを主宰されている、丸山先生のもとを訪ねました。
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「PAUSE」があるビルは、吉祥寺駅からほど近くのビルの10階。明るい陽射しが差し込む施術室は、専用のベッドがひとつ、あとは北欧のローテーブルやスツール、ひとり掛けソファなどが置かれていて、まるでカフェやリラクゼーションのサロンのよう。いわゆる「診療室」というイメージからはかけ離れています。窓からの眺めも素晴らしく、ここが駅そばだということを忘れそう。

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この場所にサロンを開いたのは、今から7年前。ものすごい腰痛持ちだった高校生時代にカイロプラティック(背骨を中心に骨格のゆがみを手わざで調整することにより、神経の働きを高めて健康を回復させる自然療法)に出会い、身体にまつわる仕事をこころざして以来、今までのべ15万人以上(!)の人の身体を施術してきたという丸山先生。ときには1日98人もの人を診たという、過酷な修行者のような経験もあるそうです。

そんな風に数限りなく人の身体を看るうちに、いくらもんでほぐして、一時は症状が改善されたとしても、すぐに元通りなってしまう人の多さに悩みます。「痛み」や「苦痛」を生み出している原因は、もっと他にあるのではないか……。症状にまつわる感情や悩み、それら含めたその人全体を癒すことができなければ、痛みや疲労は回復できないのではないか……そんな思いが「PAUSE」のスタートだったとか。現在は、鍼やマッサージ、整体など、ありとあらゆることを実践し、「それでも痛みが治らない」と悩む方々が、最後の駆け込み寺として頼る院としても知られているそうです。

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というのも丸山先生、数限りない人の身体を診ているうちに、なななな何と、背骨をさわるだけで、その人の性格や感情、生活習慣などが、だんだん分かるようになっていった(!)というのです。

背骨や姿勢は、その人の心を映し出す鏡のようなものなんです。悲しい人は悲しい姿勢をしているし、怒っている人は怒っている姿勢をしていたりする。慢性的な痛みや身体の悩み、不定愁訴の裏には、実はその原因となる性格のクセや、心の状態が潜んでいることが多いんです。その状態をまずは意識してみることが、解決の糸口になるのではないか……と僕は考えています」

身体や姿勢という話から、何やらデリケートな心の話にもなって参りました。心理カウンセリングを受けているような感覚です。

「だからまずは、『先生と患者』という関係性に縛られず、もっとざっくばらんに心を解放してもらおう、リラックスしてもらおうと考えています。普通の治療院とは逆のことをしようと思ったんですね。僕も白衣は脱いで、暗い狭い治療室ではなく、広くて開放的な空間でくつろいでもらうようにして」

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ということで、何とカウンセリング中の丸山先生のポジションは床座り。患者である田中は椅子に座っているので、先生をやや見下ろすような感じになってしまい、ちょっと恐縮です。しかしながら、今回のお悩みをお伝えしようと、自分の症状を説明していきます。

「実は私、仕事机に向かう自分の姿勢が悪いのではないか……という思いを長年抱えておりまして……」
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原稿書きに悩んで、ウンウンうなりながらパソコンに向かううちに、どんどん顔が前のめりになり、背骨も曲がっていく気がしている。数年前に買った椅子も、高さや形が果たして自分の体型に合っているのかが不安。そして疲労がたまると、一日が終わる夜にはぐったり、左側の腰に差し込むような痛みが走ることも多い……などなど。先生は静かにうなずきます。

そんな姿勢を自分なりに再現してみると、おおお、この写真、何だか妖怪のよう(笑)。背中は丸いし、お腹はぽっこり出ているし、目が当てられません。そして「田中さんは、なぜその痛みが起こると思いますか?」と逆質問。

「そうですね……実は私はクセで、ついつい脚を組んでしまうんです。それが結果的に腰に負担になっているのではないかと思います。そして背筋力がないから身体を支えられず、どんどん腰が曲がっていって、それも余計に腰に悪いのではないかと」
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「ふむふむ、なるほど~」と、先生はうなずきます。カウンセリングはそんな風に、まずは悩みと、患者さん自身が考える悩みの原因をくわしく聞くことからスタートします。そしてそれに対して、先生からの見解を二人の間に投げかける。ほとんどのケースは、本人の考えと先生の見解は違っている。では正解はどこか、対処方法は何か。そんな風にして、悩みの解決方法を「先生が教える」のではなく「二人で考える」という方式を取るのです。


→vol.2に続きます

疲労回復専門店 PAUSE(ポーズ)

東京都武蔵野市吉祥寺南町2-3-15バローレ吉祥寺Ⅰ 1009
TEL:080-4118-1674
営業時間:10:00~22:00
営業日:月、水曜
施術料:10,000円(60分)
http://pause-kichijoji.com/

Profile

丸山祥一

Shouichi Maruyama

東京・杉並区生まれ。青春時代を福岡で過ごし、東京に戻る。専門学校でカイロプラティックの技術を学び、専門院で修業。その後接骨院で働き、独立。池袋で接骨院を運営。自分が考える新しい理想の施術を求めて、東京・吉祥寺に「疲労回復専門店 PAUSE」をオープンする。

田中のり子

noriko tanaka

衣食住、暮らしまわりをテーマに、雑誌のライターや書籍の編集を行う。『ナチュリラ』(主婦と生活社)は創刊当初からのスタッフ。構成・執筆をした『これからの暮らし方2』(エクスナレッジ)が好評発売中。

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