「今さら」ではなく「今から」 それだけで人生は変わります Vol.2 理論物理学者 佐治晴夫さん

暮らしのおへそ
2017.11.22

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Vol.はこちらから

人は毎日生まれ変わる。昨日の自分はもういない

過去は単なる記憶であって、
実際に経験した過去そのものではないと
佐治さんは言います。
過去は固定されたものではなく、
自分の都合のいいように作り変えたり、
脚色したりすることができるのだと。

「そんな実体のない過去にこだわるより、
この先どう生きていくかを考えたほうが
建設的だと思いませんか?」

 

佐治さんが音楽から数学の道に進んだのは、
感覚的に音楽にもっとも近いと感じたのが数学だったから。
「ボイジャー」にバッハの「プレリュード」を選んだのも、
その曲に数学的規則性があったからなのだとか。

「E.T(地球外知的生命体)との交信には、
言語としての情報が不可欠です。
例えばジュウシマツには8つの鳴き声があって、
その組み合わせによって言語を作っていますが、
それと同じような数学的構造が、
バッハの曲にもたくさん含まれています。
具体的に言うと、 “f分の1ゆらぎ”の
様相を呈しているのです。
バッハがそれを知っていたとは思えないので、
恐らく偶然でしょう。でも彼は、
そういう数学的な美しさを感じていたのだと思います」

“f分の1ゆらぎ”とは、
佐治さんが提唱する宇宙のはじまりに関わる理論で、
半分予測できて半分予測できないという性質のこと。
そうした“ゆらぎ”はそよぐ風や木漏れ日、
星の瞬きなど自然界のほとんどにみられ、
私たちの脳は、この“ゆらぎ”の刺激を受けると
脳自身の“ゆらぎ”と呼応して、
心地よい、美しいと感じるのだとか。

「健康な人の脳派や心拍の変動は、
自然界のゆらぎに近いことがわかっています。
私たちも明日のことを半分は予測できて、
あとの半分は予測できないからこそ
明日に夢を託して生きられるわけですよね。
自然のからくりも、私たちの心の動きも、
すべては宇宙の根源的性質を
そのまま反映しています。
それはつまり、私たち自身が
宇宙のひとかけらの証だと言うことです」

人間を含めたすべての生物を構成する
主要元素の優先順位は水素、酸素、炭素、窒素で、
実はこれは宇宙を構成する主要元素とほぼ同じなのだそう。
そして、人間の体を構成する数十兆の細胞のうち、
数千億の細胞はひと晩で入れ替わるのだとか。
ということは、昨日と同じ自分は
もうどこにもいないということ。
つまり、何回でも新しい自分に生まれ変われる。
毎日、毎日新しい自分になれるということです。

 

Vol.3

に続く

 

text:和田紀子 photo:興村憲彦

『暮らしのおへそVol.23』より

 

Profile

佐治春夫

SAJI HARUO

宇宙創生に関わる「ゆらぎ」研究の第一人者として知られる理学博士(理論物理学)。大学教授や学長、学園理事長などを務めた後、2011年に北海道美瑛町にアトリエを建て、移住。近著は『ぼくたちは今日も宇宙を旅している』(PHP研究所)、『14歳のための宇宙授業-相対論と量子論のはなし』(春秋社)

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