美しく健康的な爪を目指そう! Vol.2

からだ修行
2017.12.05

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「では爪の手入れとは、一体何をすればいいんでしょう?」と尋ねると、ズバリ「爪の切り方を変えてください」ときっぱり。

ほとんど人は、そもそも爪を深く切りすぎ。深爪は、爪のために本当によくないことなのです」

子どもの頃「爪がのびていると、ばい菌がたまるから」と、「爪先の白い部分はできるだけ短く切りなさい」と、親や学校でしつけられた方も多いのでは。ドキ! 私もその口で、白い部分が1ミリを超えると何だかムズムズして、パチンパチンと爪を切りたい衝動にかられてしまいます。けれども三浦さんによると、それは大きな間違いで、適度な長さがないと、爪そのものの形が変形してしまう危険があるのだとか。

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爪を短くしてしまうと、たいていの人は相対的に少しでも爪の形を細長く見せようという気持ちが働いて、両脇の角を落としてしまいがち。そうすると「ネイルベッド」と呼ばれる爪のピンク色の部分、爪を支える指の肉の力も衰え、本来は厚みがあり、立体的であるはずの爪も平面的、平坦になっていく。そうすると亀裂が入りやすくなり、もろく欠けやすくなっていくのだそう。

逆に爪をのばそうとすれば、「ネイルベッド」が、より爪を支えようと少しずつ育っていき、結果として爪が大きく、美しい形に近づいていきます

「お客さまで『私の爪は子どもみたいに小さいから』とおっしゃる方がいるんですが、そうおっしゃる方のたいていが、長年の深爪が原因です。きちんと誘導して爪を伸ばしてあげて、甘皮をていねいに処理すれば、爪の長さが倍(!)に育った方もいるんですよ。爪に入ったよごれは、ネイルブラシを使えば落とせます。逆に深爪のほうが、中に入ってしまったよごれは落ちにくいんですよ」

これは「爪は短く切りなさい」と言われてきた私にとっては、衝撃的な事実でした。爪が割れやすくなるのも、実は「爪の切り方」に原因があったとはびっくりです。

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そしてできれば爪ややすりを使って短くすること。どうしても使うなら、爪を平面的に断ち切る一般的な爪切りではなく、刃が爪の曲線に沿う「ネイルニッパー」がおすすめだとか。

とくにアートを施したりしない場合、手のひら側から見て、指先と爪がちょうど同じ長さになるくらいが目安で、それより短い場合は「切りすぎ」を疑ったほうがいいそう。爪だけを見るのではなく、手全体のバランスを見て長さを整えることが大事なのです。

「足の爪にも注意が必要です。よく爪が厚くなりすぎて、ご自分ではカットできない状態になっているご年配の方がいたりしますが、それも深爪が原因です。爪は三方向だけ囲まれている状態なら、前にすっとのびるんですけど、深爪をすると四方向囲まれて、上に厚みを増すしかなくなってしまうんです。また、爪が自然なカーブを描けず平らな状態になるので、強度も弱くなります」

 

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「よく足の小指などが分厚く小さくなって『私の爪は生まれたときからそうなのよ』と言う方もいますけど、赤ちゃんにはそんな爪はないんです(笑)。深爪して、靴の中で押し込めて、長年伸びないようにしてきたから、上に上に厚くなってしまっただけ。でもきちんと治せます。付け爪をして、素直に伸びるように誘導してあげれば、たいていの爪は健やかさを取り戻します」

そして正しい切り方をしたあとは、きちんと保湿をすること。髪や皮膚と同じように、爪も乾燥は大敵。なのに何のケアもしていなければ、カサカサになり割れやすくなるのは当然、と三浦さん。とくに女性は、更年期は格段に爪が割れやすくなるので、しっかり保湿をしてあげることが大事なのだそうです。

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食品関連や医療関係などの仕事に携わる人に圧倒的に支持されているという「ケロデックスクリーム」は、水やお湯はもちろん、脂や薬品などの刺激から肌を保護できるという薬用クリーム。においやベタつきもなく、口に入れても安心ということから、料理の仕事や家事をするときにも安心だそう。スティック状のキューティクルケアペンは爪の保湿に。ペンシルタイプだと電車の移動中やちょっとした時間にさっと爪のケアができるので、おすすめなのだとか。

さらに三浦さんは爪の保護役としても、ポリッシュ(マニキュア)の役割を見直してほしいと続けます。

「ポリッシュは『爪が傷む』という印象を持っている方も多いですが、傷めるのはポリッシュではなくリムーバー(除光液)。リムーバーさえ頻繁に使わなければ、乾燥保護のために塗るのはとてもいいんです。派手な色を塗るのにも抵抗感がある方は、透明なものやベージュ色を選べばいいと思いますよ。女性は手先にツヤ感が増すだけで、気分がぱっと上がるので、今までネイルサロンに行ったことがない人こそ、おすすめです」

さてそんな爪まわりの予備知識をレクチャーしていただいたあと、いよいよ基本の「ナチュラルネイルケア」コースを実践していただきました。

photo:砂原 文 text:田中のり子


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ミウラネイルクリニック 井の頭通り店

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定休日:月曜
http://miuranail.jp/
ナチュラルネイルケア(手首下マッサージ+爪形&表面+甘皮まわり)¥3500、+¥500でピーリング付、+¥1500でカラーリング付き。その他ハンドトリートメント¥2500、ネイルケア、カラーリング、トリートメントのフルセット¥6500など(すべて税別)。

Profile

三浦陽子

Yoko Miura

東京生まれ。都内の語学学校を卒業後、在日タイ国大使館商務部に勤務。ワーキングホリデービザを取得し、オーストラリア・シドニーで働く。帰国後、数社の店舗企画会社勤務を経て、ネイルサロン事業の立ち上げに携わる。1992年に「ミウラネイルクリニック」をオープン。

田中のり子

Noriko Tanaka

衣食住、暮らしまわりをテーマに、雑誌のライターや書籍の編集を行う。『ナチュリラ』(主婦と生活社)は創刊当初からのスタッフ。構成・執筆をした『これからの暮らし方2』(エクスナレッジ)が好評発売中。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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