自然のリズムに寄り添って 素のまま、あるがままVol.1 造形作家 サカキトモコさん

暮らしのおへそ
2017.12.06

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造形作家のサカキトモコさんはご主人と二人の娘さんと一緒に、
緑豊かな神奈川県葉山で暮らしています。
ハーブが茂る庭には小さな家庭菜園があり、
残飯をコンポストで堆肥にし、季節の野菜を収穫するのだとか。

サカキさんの日々は心地いいことを優先に。
朝起きて、娘さんを学校に送り出したら、ゆっくりとお風呂に入り、
心のままに声を出し、楽器のそれのように体を調律します。
三度のご飯も、自分のおなかに聞いて食べる回数を相談して。
こうと決め込まず、その時々の体と心を観察して、
自然のリズムを感じながらそれにあらがうことはできるだけしないように。

窓からさんさんと光が入るアトリエには照明がなく、
製作の時間は太陽の動きにゆだねられます。
麻のお香で空気を浄化して、場を整えたら、
ひとり静かに手を動かします。

実を落とし、いったん役割を終えた麦わらを、
立体に起こし、結び、美しい麦わら彫刻として、
ふたたび生命を宿すのです。
「どんなふうにでき上がるのかはわかりません。
ただ自分をからっぽにして手を動かしていくうち、
目に見えないものが形になって現れてくる。
麦わら彫刻は私が作る作品というより、授かりものです」とサカキさん。

種から芽を出し、豊かに麦を実らせたあと、
姿を変えて飾られる麦わらは、役割を終えたら土に還ります。
土は豊かになり、そこからまた新しい生命が芽吹く。
麦わら彫刻に表れた生命の循環こそが
サカキさんが大切にしているおへそなのかもしれません。

「生命の循環は特別なものではなく、
あらゆる人の暮らしのなかにちりばめられているものです。
たとえば料理。食材を手にした人が調理し、新しい姿へと変える。
それを食べれば体にエネルギーがしみ渡り、
便として排出された不要なものは、
昔は堆肥になり土を肥やしていました。
子どもと拾ってきた松ぼっくりで一緒に何かを作るのも
いいですよね。摘んできた野の花を部屋に飾るだけでもいい。
すべては、眠りについている生命を受け取った人が、
どう生き返らせるかということ。

新しい姿に変えてよみがえらせ、
そこで生き返ったものがその役目を終えたときにも、
また循環を意識すれば、
飾った花も自然と土へ還したくなるのではないでしょうか」

 

Vol2に続く

Profile

サカキトモコ

SAKAKI TOMOKO

神奈川県は山在住の造形作家。おおくぼともこの名でフィンランドの伝統装飾ヒンメリの展覧会やワークショップを通じてその魅力や技法を紹介。2012年「種子の起源」を題材にオリジナル作品に挑む。2015年自らの作品を「麦わら彫刻」として捉える。2016年創作活動名をサカキトモコとする。

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