漢方薬でできることって何? Vol.3

からだ修行
2018.02.28

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漢方のさまざまな話を伺いつつ、前回に出していただいた薬が切れていたので、新たに処方していただきました。

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「もし何か『もっとこういう症状に効くようにしてほしい』という要望があればおっしゃってください」。2回目、3回目に来た方とはいろいろ話をして、症状の変化や季節によって、処方を少しずつ変えていくそう。折りしも取材は、寒波襲来時。「春までもうしばらく冷えそうなので、体を温めるものを増やしてほしい」とお願いして、前回よりさらに「シナモン(桂皮)増量バージョン」を処方していただきました。

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必要な生薬たちを計量し、それをミックスする機械に投入。桂皮の香りがふんわりと立ち上り、何だかその香りをかいでいるだけで、体が温まってきそうな感じです。

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ガシャンガシャンと音がすると、1回分の粉薬が硫酸紙の袋に包まれた状態で出てきます。

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1日3回1か月分となると、かなりの量! けれどこの重みが、何となく頼もしく思えます。

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家で早速飲んでみると、桂皮の甘い香りが何ともいい感じ。実は前回の薬はいかにも「漢方!」という感じで、苦みもあり、飲むのがちょっぴり苦痛でしたが、今回はどこかチャイのようでもあり、飲むのが楽しみになりました。

ところで市川先生は、薬を飲むときにも「治そう」という意志が大切だと話します。

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病気は『治る』のではなく、『治す』もの。治そうとする意志があると、生命力・エネルギーが沸きます。最初に話しましたが、人間はひとつのエネルギー体ですから、漢方を飲むときも、悲観的な弱々しい気持ちで飲むか、前向きに積極的に治療に向かうかで、雲泥の差が出ます」

治す意志があると、症状が改善したときに自分の中に、自信のようなものが芽生えます。その自信がエネルギーになり、自然治癒力がより増し、また健康になっていく。そのような良い循環を引き出すのが漢方薬の役目なのです。

朝の目覚めが良くなり、気力が充実して仕事に向かっているときなどに、先生の「人間はひとつのエネルギー体」という言葉がふっとよみがえってきます。今まで不調という「部分」ばかりに目が行きがちでしたが、漢方薬によって、体全体のエネルギーを高めることの大切さを学んだ取材でした。

 

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市川仁生堂薬局

東京都杉並区阿佐谷北2-15-16
TEL:080-3006-4089
営業時間:10:00~20:00
定休日:日曜・祭日
http://www.yokukiku.com/
漢方相談は無料。相談により処方するすべての粉薬・煎じ薬1か月分¥16,200。癌の場合のみ1か月¥32,400。10日分、20日分でも調剤可。

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Profile

市川仁

Jin Ichikawa

長野県生まれ。1996年、東京・阿佐ヶ谷に「市川仁生堂薬局」を開業し、女性特有の病気のほか、花粉症やアトピー性皮膚炎、動食物アレルギーなど、さまざまな病状の人の健康相談を続ける。

田中のり子

Noriko Tanaka

衣食住、暮らしまわりをテーマに、雑誌のライターや書籍の編集を行う。『ナチュリラ』(主婦と生活社)は創刊当初からのスタッフ。構成・執筆をした『これからの暮らし方2』(エクスナレッジ)が好評発売中。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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