デザイナー・田部井美奈さん【後編】「毎日使うものこそ、使い心地や香りだけでなく“見た目”も重要」

わたしたちのコスメのはなし
2016.05.04


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草場「肌荒れによってオーガニックコスメを使い出したとのことですが、選ぶ基準って他にもありますか?」

田部井さん「パッケージも重要かもしれないです。置いておいても素敵なものの方が興味があります。“佇まい”が大事ですね」

草場「すごく分かります。私は職業柄たくさんのコスメを見るし使うのですが、新しいコスメの全てを試すのは難しい。いくつかに絞った上で、その中から、触ってみたり香りをかいでみたりして、店員さんからもお話を聞き、購入するものを選んでいます。その最初にいくつかに絞る時は、私も見た目によって選んでいると思います。家に置いてあったり、ポーチに入れて持ち歩いたり、毎日の生活に寄り添うからこそデザインも重要ですよね。ポーチは持ち歩きますか?」

田部井さん「リップクリームくらいしか持ち歩かないことがほとんどです。本当は色々持ち歩かなきゃと思ったりするんですけど……」

草場「定番アイテム以外に、新しいアイテムを買ったりもしますか?」

田部井さん「たまに雑誌を見たり、人のおすすめを聞いたりもしますね。私の中でのこだわりがもう1つあって、“香り”は重要かもしれません。強い香りや、嫌な香りのものは選びません。香りと言えば、特に整髪料が難しいなぁと私は思っていて……。香りを気に入っても使い心地が難しかったり、逆に質感は気に入っても、香りが苦手だと結局1日中気になってしまうし。何かおすすめってありますか?」

草場「香りと使い心地はせめぎ合いですよね。どちらも満足するものは結構少ないと思います。私がすごく気に入っているのは、“ユメドリーミング エピキュリアン”のヘアワックスです。香り、パッケージ、使い心地、どれも気に入っていますが、1回のシャンプーでさっぱり落ちるところも嬉しいです。そしてこのヘアジェルにはえんどう豆由来のタンパク質が入っていてダメージケアしながらセットでき、手に残ったジェルは爪にすり込んでしまえばネイルオイル代わりにも」

田部井さん「少し使ってみてもいいですか? 香りは好きなので、あとは使い心地次第ですが、よい感じかも! 早速買って帰ります! しかも、パッケージもいいですよね。こういう、自分の生活の中にすっと馴染むデザインのものが好きです」

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草場「香り・使い心地・パッケージ、どれも気に入るものってなかなか無いけれど、ふいに出合えるととてもうれしいですよね。他に、私が最近使って感動したのは、同じ“ユメドリーミング エピキュリアン”のヘアクレンジングクレイです 。シャンプー前に使う頭皮用のクレンジングなんですが、すっごく気持ちが良くて。産後の薄毛に悩む人などにもおすすめです」

田部井さん「さきほど肌が弱いとお話しましたが、口唇も負けやすいんです。だからリップもなるべく低刺激のものを選んでいます。“MiMC”のビオモイスチュアスティックとミネラルルージュ(PARIS RED)を愛用しています。リップのおすすめも、お聞きしたいです!」

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草場「田部井さんにはもしかすると刺激が強いかもしれないですが、“Dior”の“リップマキシマイザー”はおすすめです。唐辛子の成分が入っていて、口唇の縦じわが目立たなくなると言われているんです。口唇をプリっとさせたい時はこれを使ってみたり、日常的に使い分けしています。それから “MiMC”のミネラルルージュは、私も愛用しています。私の肌色にはTOKYO REDの方が合うのですが、強めに赤を出したい時は田部井さんと同じカラーのPARIS REDを使ってみたり」

田部井さん「ちょっと大人っぽく見せたい時には赤っぽい色を使ってみるなど、たしかに気分で使い分けはしているかもしれません。ただ、なかなか自分に似合う色を探すのって難しくて……。あとは、チークもたまにしてみますが、やはり難しいです」

草場「私の好きなチークは、“バーバリー”のライトグロウ 06番。わりと誰にでも馴染みやすく、陰を落とさず明るさを出してくれて、上品! このチークに出会った時は本当に嬉しかったです」

田部井さん「メイクって、楽しむことが一番大事ですよね。気に入るものと出合えると嬉しくて、使ってみると気持ちが上がって、楽しい気分で過ごせる。それって女性の特権だと思います。私ももう少し楽しめるようになるといいなぁ。この前パッケージデザインを担当したオーガニックコットンの生理用ナプキン“Sisi FILLE”も、そういう気持ちを大事にしながらデザインさせてもらいました。毎日使うものこそ、使い心地はもちろん、見た目が嬉しくなるようなものであって欲しいですよね」

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エディター・柿本の<今日のまとめ>
私はオーガニックコットンの生理用ナプキン“Sisi FILLE”を見た時、そのデザインに一目ボレしました。まずはデザインで手に取り、説明書きをよく読んでみると中身も良さそう! これはと思い使ってみたところ、使い心地も素晴らしくて。このプロダクトに出合えたのは、田部井さんのデザインがきっかけです。
メイクアイテムは、使い心地と香りは非常に重要ですし、そこをクリアしないと継続して使うことができません。でも、私が最初に手にするキッカケの大部分はデザインだったりもするので、その部分にもこだわる方の愛用品がお聞きできたことで、また“気になるものリスト”が増えました。

 

edit&text:柿本真希 photo:加藤望

撮影場所:「HEIGHTS」  東京都港区南青山7-1-12
http://www.heights-heights.com
山藤陽子さん(YORK.)と平武朗さん(deserticデザイナー)が、ヴィンテージマンション内にオープンしたアポイント制のサロン。パーソナルカウンセリングをしながら、オーガニックスキンケア、オリジナルのフレグランスなどを提案してくれる。

 

 

第1回 伊藤まさこさんはこちらから

第3回 ブランディングディレクター・福田春美さんはこちらから

第4回 「nest Robe」滝口和代さんはこちらから

Profile

田部井美奈

Mina Tabei

1977年生まれ。輸入カメラ「LOMO」販売代理店の勤務などを経て、グラフィックデザイナー・服部一成氏に師事。2006年より個人の仕事をスタートし、2009年アトリエ「kvina」に参加。2014年に独立し、広告やパッケージ、書籍、雑誌などを中心に活躍。http://cargocollective.com/mina_tabei

草場妙子

Taeko Kusaba

1979年、熊本生まれ。2006年独立。雑誌や広告、CMなどで幅広く活躍するヘアメイクアップアーティスト。コスメ好きが高じて、インスタグラムではおすすめの美容アイテムを紹介。
http://kusabataeko.com
Instagram:https://www.instagram.com/kusabataeko/

柿本真希

Maki Kakimoto

フリーランスエディター・ライター。二児の母。様々な媒体やカタログにて、編集・執筆・連載・インタビューを担当。ニュージーランドにて母子留学を2年半。2014年秋に帰国後、エディター・ライター、ディレクターなど多岐にわたり活躍中。

http://www.makikakimoto.com
Instagram:https://www.instagram.com/makikakimoto/

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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