「一粒舎」革のカバンと革靴 ~sahanji+(サハンジプラス)より vol.20~

今日のひとしな
2016.10.20

「一粒舎」の高木将吾さん、陶子さんご夫妻の作るカバンと靴は、とても穏やかな佇まいをしています。革の作品としては珍しいことと思います。ともすれば、クラフト感が前面に出てしまうか、もしくは、かっちり硬く冷たい印象になってしまいがちな素材の革で、二人の作品はそのどちらでもなく、穏やかで美しいと感じます。

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 baguette bag(M)¥47,000(税抜)

植物のタンニンでなめし、オイルをゆっくりと馴染ませた革は、自然と深みと艶を増し、やわらかくなってゆくのが特長です。

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5年ほど愛用しているポーチポシェット。艶が増し、くったりやわらかくなった革。使い込むほどに自然と風合いの増すオイルレザーは、年月を経るほど味わい深く育ってゆきます。より深みの増したお客さまのカバンや靴をお店で拝見する度に、その格好よさにとても嬉しくなります。

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家事、育児と同じ延長上に、製作という労働が無理なくすぅーっと組み込まれている、そんな日々の営みから紡ぎ出される作品。そこには、高木さんご夫妻の生き方そのものが反映されているのです。神奈川県・葉山のご自宅兼工房にお邪魔して作業風景を見せて頂いた時、二人がこの穏やかで美しい作品を生み出せる理由が分かったような気がしました。

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穏やかでしなやかでありながら、そこには高木さんが信条としているであろう「祈り」にも似た、なにか凛としたものを感じました。

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 「一粒舎」の高木将吾さん、陶子さんファミリー 。松本クラフトフェアにて。

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紐履(o'keeffe)  ¥50,000
「どこかの景色の片隅に映りこんでいるような、とりたてて どうということのない靴」を作りたかった、という一足。
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サンダル(galileo)、Tストラップ(issac)。
成長の軌跡に、いつまでも大切にとっておきたくなる、愛しの“子靴”。

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スリッポン(Tove) ¥28,000

元は靴職人から始まった高木さんの物作り、履き心地のよさには定評があります。既に「2足目を」とご注文してくださった方も。

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 かぶった時のシルエットがとても綺麗な帽子。増えすぎてしまった日本の野生の鹿革から作られています。こちらは12月の作品展にてご紹介予定です。高木さんご夫妻の、鹿革への一考察、ぜひこちらもご覧下さい。
http://about.hitotsubusha.com/?month=201510
http://about.hitotsubusha.com/?month=201605

今のこの時代は、望めばどんな革も手に入るけれど、無理やりたぐり寄せて手に入れる材料よりも、縁があってめぐり合った革で作ることの方が性にあっているし、そこに意味があると思う、そういう素材との付き合い方をしていきたい、と高木さんは言います。

「一粒舎」の作品の、美しくて穏やかな印象は、高木さんご夫妻そのものの印象と重なります。あわただしい日々の中で、生態系や政治のこと、ちょっと億劫でついやりすごしてしまいそうなことに、しっかりと向き合いながら立ち止まったり考えたりして、日々の営みを重ねる高木さんご夫妻。そんな二人の作品には、道具としての合理的な使いやすさを超えた、魂が込められている気がするのです。だから使いやすいのはもちろん、持っていて気持ちがいい。

特別な日も、変わらない毎日にも、それぞれの暮らしにすぅと馴染む革のバッグや靴。「日々のよき伴となりますように」。高木さんご夫妻の作品への想いです。

「サハンジプラス」では、12月に「一粒舎作品展」を開催予定です。詳細は11月にお店のブログでご案内しますね。

←お店の紹介はこちらから

sahanji+(サハンジプラス)

2006年、お祖母様の暮らしていた一軒家を改装してオープン。器、道具、服など衣食住にまつわるものや、暮らしになじむオブジェなどが並ぶ。連載「今日のひとしな」の執筆は、店主の河村奈穂さん。

静岡県静岡市清水区堂林2-9-5
TEL:054-353-1155
営業時間:13:00~17:00
不定休
http://www4.tokai.or.jp/sahanji-plus/

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