大人のおしゃれアーカイブ バッグデザイナー・林ヒロ子さん  vol.3

大人になったら、着たい服
2016.01.22

自分だけの持ち方、身につけ方を

工夫することがおしゃれ

 

その後、「あなたは、デザインの仕事ができる人だから、仕事を手伝いませんか」と誘われてデザイナーの道へ。45歳のときにイタリア・ミラノに渡り、「ヒロコ ハヤシ」のブランドを立ち上げました。

「イタリアという国に、私は背中を押してもらいました。『チャオ、テゾーロ』という言葉があります。『私の宝物』っていう意味かな。若者から年配の男性までみんながそうやってほめてくれるんです。10代の若い男の子が走ってきて、『その髪素敵だね』と言ってくれる……。そんな美に対する層の厚さは素晴らしいですね」

アパルトマンの最上階にあるご自宅から、下の階のアトリエへ下りて行くときには、必ず靴を履いてバッグを持ちます。どんな服を着るかより、実はそんな「意識」こそが、おしゃれになるためには必要なことなのかもしれません。

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「私のバッグはね、自由に持って欲しいんです」とヒロ子さん。

バッグはもちろん、物を運ぶ道具ではあるけれど、それにとらわれず、自分だけの持ち方を工夫してほしいのだといいます。

「こういうときには、このバッグと決めないで。時には中身が入っていなくたっていいじゃないですか(笑)。バッグの存在の意義をちょっと変えてもらうと、作り手としてはうれしいですね」

ヒロ子さんの格好よさが、気になってしかたがない……。それは、そこにひとさじの、“やんちゃ心”があるからなのかも。洋服は裏返しに着たっていい。空のバッグを持って出かけてもいい……。「こうじゃなきゃ」という枠を取り払い、物の価値観は、他人ではなく自分で決めるものと知る……。そんな術を身につけたとき、“大人の遊び心”という、おしゃれのスパイスを見つけられるような気がします。

 

 『大人になったら、着たい服 '15-'16秋冬』より

photo: 中川正子 text: 一田憲子

 

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