自分を知った大人服 矢野直子さん 「無印良品」生活雑貨・企画デザイン室長

大人になったら、着たい服
2016.01.22

何を着るかより、

どう組み合わせるかが

おしゃれの醍醐味

 

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「ミナ ペルホネン」の秋冬の展示会に出かけたとき、矢野さんの目に留まったのが、白地にグレーの糸で刺しゅうが施されたロングスカートでした。

 「秋の始まりにあえて白、という発想が新鮮で。秋風を感じながらぜひ着てみたいと思ったんです」と語ります。

スカートに施された刺しゅうの色に揃えて「無印良品」のグレーのセーターを合わせました。

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中学生のころから洋服が大好きだったという矢野さん。

「3年生の頃に、親にねだって初めて『コム デ ギャルソン』の服を買ってもらいました。髪の毛を刈り上げて、かなりとんがっていたかなあ」と笑います。そして、同じぐらい好きだったのが「無印良品」だったそう。

「DCブランド全盛の時代に、マークなし。そんな在り方が、『コム デ ギャルソン』と同じぐらいアバンギャルドだと思って」

中学1年生ですでに、「美術大学に行く」と決めていたのだといいます。卒業後はプロダクトデザイナーに憧れ「無印良品」に入社。当時、家具の発注のため、ヨーロッパに出かけることもしょっちゅうだったそう。

「出張のたびに憧れの『エッグ』に通いました。当時は高価でとても買えなかったけれど、その空気を吸うだけで満足でしたね」

その後、ご主人の転勤でスウェーデンで3年間暮らし、帰国後は「伊勢丹研究所」に勤務。

「トレンドの最前線で、『私にはちょっと無理』と思う服までチャレンジした時代。モノ選びの目が広がりましたね」

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今は再度「無印良品」で生活雑貨全般をディレクションしています。矢野さんが手がけてきたのは、デザイナーとバイヤー、アーティストとショップなどの橋渡しをする仕事でした。

「“コーヒーをデザインする”といえば、カップだけでなく、家具や窓からの光まで、空間すべてを”デザインする”ということ。私がやってきたのは、そのために、人や物やコトをつなげて、ストーリーを作ることなんです」

それは、ファッションでも同じこと。自分が自分らしくいられるために必要なのが、ブランドの名前に左右されず、アレとコレを組み合わせる“目利き力”です。一見何の関係もないふたつを並べたとたん、今まで見えなかった世界が立ち上がる。そのハッとする驚きこそ、おしゃれの醍醐味なのかもしれません。

 

『大人になったら、着たい服 '15-'16秋冬』より

photo: 和田直美 text: 一田憲子

 

Profile

矢野直子

Naoko Yano

1969年生まれ。美術大学卒業後「良品計画」入社。ご主人の仕事の都合でスウェーデンで暮らしながら、ヨーロッパの「無印良品」のディレクションを手がける。帰国後「伊勢丹研究所」で5年間働いたのち、「無印良品」の企画デザイン室室長に。系列ブランド「イデー」のデザインディレクターも務める。

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