【大人のおしゃれアーカイブ】勝屋まゆみさん 「how to live」主宰 Vol.2

大人になったら、着たい服
2017.04.18

何を楽しいと感じるかは、

その人次第

自分が心から楽しむものを見つける

それが「幸せ」なのだと思います

 

Vol.1から続きます

学生時代に着ていたのは、デニムがメインでしたが、このころから「フィオルッチ」や「ジャン・シャルル・ドゥ・カステルバジャック」などのブランドの服を見たり、買ったりするようになりました。

「『フィオルッチ』にはよく通いましたね。高くてなかなか買えないんだけれど、見るだけでワクワクして」

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その後「伊勢丹研究所」でテキスタイルがわかる人を探していると聞き転職。「カール・ラガーフェルド」や、「カルバン・クライン」のライセンス生産のため、コーディネーターとして働き始めます。

「私ってね、嫌いなものは目に入らないタイプなんです。興味がなかったら、そこにあったことさえ気づかない。でも、百貨店はすべてに目が行き届かないといけないでしょう? 全天候型ではない私は、いつかは辞めるだろうと思っていました」

 

ボロボロになるまで

使い切られるものを作りたい

 

40歳を目前にして、次の仕事も決めずに退職。まずは、「ヨーガンレール」時代の同僚の小前洋子さんとインドネシア旅行へ。

「そこで見たのが、貧しい暮らしの中で、ボロボロになるまで使われていたサロンでした。朽ち果てる一歩手前まで使い切られるものを作りたいよねと話をして」

帰国後、小前さんはアクセサリーを、勝屋さんはテーブルクロスやクッションカバーなどのインテリアファブリックを作るブランド「アンジンクチン」を立ち上げ、7年間続けた後に解散。

こうして回り道したのちにやっと、「自分で自分の好きなものを作る」という舞台に立ったという訳です。「ハウ トゥ リヴ」という名前は、「これからどうやって生活しようか?」という当時のシリアスな意味も含んでいたのだとか。でも同時に、実直なものづくりへの姿勢を表す言葉でもありました。

「このバッグをひとつ買ったら、私の生活がこんな風に変わる。こんな生き方ができる。そんなブランドでありたいと思っています」

「自分の年齢なんて忘れていますね」と笑う勝屋さん。

「人から見てどうかではなく、自分が心から楽しめるものを見つけることがどれだけ幸せか。洋服も食べるものも、生き方も自分らしく楽しむために選びたいですね」

シンプル路線が主流の昨今でも、「ハウ トゥ リヴ」のカラフルな柄や、ユニークな形のバッグや洋服には、大人の遊び心がいっぱい! さらに、そこに勝屋さんの意志が宿っているからこそ、服に袖を通し、バッグを手にすると、しゃんと背すじが伸びます。どう使い、どんな暮らしを作るかはあなた次第。勝屋さんからそんなバトンを受け取った気がします。

 

photo:和田直美 text:一田憲子

『大人になったら、着たい服 2016春夏』より抜粋 

 

Profile

勝屋まゆみ

Mayumi Katsuya

武蔵野美術大学テキスタイルデザイン専攻。「ヨーガンレール」勤務後「伊勢丹研究所」でファッションコーディネーターを務める。アクセサリーと布雑貨ブランド「アンジンクチン」を経て2000年より布雑貨と洋服のブランド「ハウ トゥ リヴ」を主宰。

http://www.howtolive.biz

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