自分を知った大人服 渡辺 都さん 「一保堂茶舗」オーナー夫人

大人になったら、着たい服
2016.03.01

着ることが楽しい。

おしゃれの一歩はワクワクから

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「仕事の合間に、自転車に乗って洋服を買いに行くんです」と聞いて驚きました。京都で300年間続く日本茶専門店「一保堂茶舗」六代目夫人。別世界にいる方なのかと思いきや、気さくで意外やおてんば! 明るい人柄に、ずっと以前から知っているような気さえしてきます。

「『ミナ ペルホネン』や『モリカゲシャツ キョウト』も自転車圏内。最近では『ダニエラ・グレジス』を取り扱う『草灯社』さんも近くにオープンしたんですよ」と笑います。

大学進学と同時に故郷島根県から上京。音楽が好きで、当時所属した学生オーケストラではチェロを担当していました。そこでご主人と出会ったそうです。学生時代は“ハマトラ”ファッション、会社員のときにはDCブランドなど、流行の影響を多少は受けたものの、ずっと変わらないのが、ひざ丈スカートとセーターやカーディガンとの組み合わせなのだとか。

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今はお店のすぐ上が住まい。職住一体で、呼び出されるとすぐにお店へ行かなくてはいけないので、普段からきちんとした装いが求められます。そんなときにも、ひざ丈スカートとトップスの組み合わせなら、カジュアルすぎず、大げさすぎず、塩梅がちょうどいいよう。

「熨斗(のし)を書くなどの作業がしやすいように、八分袖だったり、腕まくりがしやすいことも大事なんです」と渡辺さん。

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京都に「ミナ ペルホネン」のショップができたとき、サイズ感がちょうどいいうえに、刺しゅうやオリジナルのテキスタイルなど手の込んだものづくりに、すっかりファンになったそう。

「流行に左右されず、4〜5年前のものも、今年のアイテムと組み合わせて着られるのがいいですね」と語ります。

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老舗の奥さまだからこそ、服装はコンサバなのかな? と思っていました。でも、ビビッドな色を取り入れたり、注目のデザイナーやショップのアイテムを試してみたり。そのおしゃれの伸びやかで楽しげなこと!

ご主人を手伝い、お茶の愉しみ方を伝えている渡辺さん。店内の花を活けたり、しつらいを整えるのも渡辺さんの仕事のひとつ。主婦目線で社員とともに、おいしいお茶のいれ方を考案中。自分でいれたお茶を気軽に持ち歩けるように、魔法瓶メーカーとオリジナル水筒も開発しました。時には、伝統のお茶を「今」に寄り添うよう変換することも大切です。

「そのワンピースかわいいわね」

「今日の玉露はとろりと甘いね」

お気に入りの洋服と、おいしいお茶のことを、同じ会話の中で楽しく語り合えれば、暮らしの豊かさが変わってきそうです。

 

『大人になったら、着たい服 '15-'16秋冬』より抜粋
photo : 和田直美 text : 一田憲子

 

 

 

 

 

Profile

渡辺 都

Miyako Watanabe

1953年生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て結婚。夫が六代目を継いだ「一保堂茶舗」で、お茶の愉しみを伝えるべく努めている。著書に『お茶の味』(新潮社刊)。

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