風土のスピリットが生きている、奥田早織さんの服と装身具

今日のひとしな
2018.02.13

~ 「組む東京」 vol.13 ~

風土のスピリットが生きた服と装身具。服飾作家である奥田早織さんは、そんなことは意図していないのかもしれません。でも、自作の服を身にまとい現れた彼女に初めて会ったときから、その印象は変わりません。

着物が現代の生活に沿って進化して、日常着になっていたらどうなっていたかな? と考えることがあります。私たちの風土と精神から自然に生まれる衣服は、本来どんなものになっていたのかと。早織さんの手がける衣服は、それに対する、すごく素敵な答えの一つだと思っています。
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<綿麻ベスト23,000円(税抜)、綿麻パンツ23,000円(税抜)~ ※メンズ/レディース、素材などにより価格は変わります>

今日のひとしなは、このベストとパンツのセットアップ。前で合わせて、紐の結び方で変化をつけて着こなします。実は、これはメンズを意識して作った服。内側にポケットが4つ、そしてキーループも……といった、男性が喜びそうな仕掛けも施されています。

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同じセットアップを男性が着ると、このような感じです。メンズ仕様の場合は、紐はつけずに、スナップで前を留めるように仕立ててあります。

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彼女の作る服は、動的で、体に沿って形が生まれ、空気をはらむ感じが恰好いいのです。そして、着こなし次第で、何通りにもイメージが変化します。手にとってみると、どれも味わい深いマテリアルの風合いが生かされていて、着てみるとさらに、特色あるディテールのデザインに気づきます。

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早織さん自身が自作の服を着こなす姿がとても素敵なので、是非ご覧いただきたいと思います。颯爽として、自然体で、自由で楽しい。彼女の手がける作品は、そんな彼女のパーソナリティーそのものです。

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早織さんは、服だけでなく、ストールやバッグ、アクセサリーなども制作しています。例えばこちらは、アンティークのパーツを使ったピアス。

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そしてこちらは真鍮の髪留めです。

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古布を使った一点物のストールも人気のアイテム。これらも、巻き方によって、大きく表情が変化します。

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こちらは、愛知県一宮市にある早織さんのアトリエです。一宮は繊維で栄えた町。このビルも繊維協会のビルでしたが、今は、繊維やデザインに関わるクリエーターがシェアする施設に生まれ変わっています。

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最後は、昨年の個展中、「組む」の前でのスナップです。2018年の「組む」での個展は、5月19~27日。一点物は、すぐにお持ち帰りできるものもありますが、多くはオーダーをお受けする形になります。補正のご希望などもできる範囲で承ります。早織さんの服を手にとってご覧いただける機会です。是非遊びにいらしてください。

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組む東京

国内外のものづくり、手工業の交流拠点となる場として、ショップ、ギャラリー、コミュニティ・スペースの機能をもつお店。「今日のひとしな」の執筆は、代表・キュレーターの小沼訓子さん。

 

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