【自分を知った大人服】中川正子さん フォトグラファー

大人になったら、着たい服
2016.07.12

「なりたい自分」になれるよう

ワードローブは常に更新して

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「このマリンキャップ、最近買ったばかりなんですよ」と嬉しそうな中川さん。東京・銀座で昭和初期から営業しているという老舗「トラヤ帽子店」で見つけたものなのだとか。

「紳士用なんです。私は頭のサイズが大きいので、メンズの帽子じゃないとダメだから」

自分にジャストフィットするものを選ぶ。一見“直感の人”に見えるのに、中川さんのおしゃれは、いたって精密な計算の上に成り立っていました。

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「最近ワイドパンツが気に入っているのは、大きなお尻を隠すのにちょうどいいから。よく人からは、細いねといわれるんですが、実はラテン系の下半身が悩みの種。合うパンツがなかなかなくて」と語ります。

スタイルもセンスも抜群で、悩みなんて何もないおしゃれさんと思っていたのに、そこには、自分を冷静に観察し、考え、選び取るという知的な作業の積み重ねがありました。

大学時代は、つき合う彼氏が変わるたびに、ファッションががらりと変わっていたのだとか。

美人の女性カメラマンとしてデビューしたころの定番はミニスカート! でも「女性であることばかりに注目されるのがイヤで」と、あえてメンズライクな服を選んだ時期もあったそう。

そんな中川さんのおしゃれの転機は40歳になったころ。

「結婚、出産を経て、授乳も終わり、ようやくこれからおしゃれを楽しもうと思っていたのに、今まで着ていたものがすべて似合わなくなった気がして……。それまで、洋服は私にとって自己表現のためのツールでした。だから個性的じゃないと物足りなかった。でも、自分が撮りたいものが見えてきて、こう生きたいという方向が明確になってくると、自分を自分以上に見せる必要はないんじゃないか、と思うようになったんです」

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そのころから服装はぐんとシンプルに。でも、そんなコーディネートも「来年はどうなっているかわからない」と笑います。好きなものは、ヘビーローテーションで着倒して、気持ちに寄り添わなくなったら潔く手放す。そうやって、絶えず「今」の自分に合わせてワードローブを更新し続けるのが、中川さんのおしゃれ。それは、絶えずまだ見ぬ自分の可能性にトライする、生き方そのもののようでした。

 

photo:枦木 功(nomadica) text:一田憲子

大人になったら、着たい服 2016春夏』より抜粋

Profile

中川正子

Masako Nakagawa

大学在学中にアメリカ・カリフォルニアに留学し写真と出会う。帰国後、山路和徳氏に師事。独立後は雑誌、広告、CDジャケットなどの撮影で活躍。長男出産後、2011年に岡山へ拠点を移し、東京と往復する日々。写真集に『新世界』(プランクトン刊)、『IMMIGRANTS』(オクターヴ刊)。

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