前向きに手を抜きましょう。~毎日の料理のこと~

1週間特集
2017.01.23

近藤幸子の「料理のこと」vol.1

 

「丁寧な暮らし」という言葉は、誰にとっても良い言葉であるように思われています。だけどその言葉にとらわれる余り、密かに大変な思いをしていませんか? 家事は毎日のこと。忙しくて「丁寧」になれない日もあります。そんなとき、東京・清澄白河で人気の料理教室「おいしい週末」を主宰する近藤幸子さんは、「前向きに手抜きをしましょう」と提案します。今日から5日間、近藤さんの日々の暮らしぶりを、著書『重ねて煮るからおいしいレシピ』からの選りすぐりのレシピと併せてご紹介します。

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仕事や子育てに追われる日々の中で、毎日のごはんを作ることは、そう簡単なことではありません。料理を仕事にしている私でも、です。

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私には9歳と3歳の娘がいます。夫婦ともに自営業で実家も遠いため、毎日が綱渡り。子供たちとの日々は大笑いするような楽しいことも多いですが、時間や気持ちに余裕がない中で、心身ともに疲れ果てていた時期がありました。

ゆっくりコーヒーを淹れたり、お気に入りの器を使ったり、部屋を気持ちよく整えたり、そんなことさえできない日々。「丁寧に暮らす」ことができない自分に、悲しみや劣等感さえ感じるようになりました。なんだか、「丁寧な暮らし」という呪縛にとらわれてしまっているような気がしたのです。

手を抜こう2

日々丁寧に暮らすことは理想ではあるけれど、それができない時期もあって当然。今は時間に余裕がないのだから、無理に頑張りすぎなくても良いのかもしれない。時間がないなら、ないなりの工夫をすれば良いのでは? と、次第に思うようになりました。生活することに手間や時間をかけすぎるよりも、子供たちと穏やかに過ごす時間を持ちたいという思いも強くありました。

そう、恐れずに前向きに手を抜こうと決めたのです! でも大事にしたいのは、自分が納得のいく美意識のようなもの。ただただ楽な方を選ぶのではなく、工夫を盛り込んだ手抜きです。

手早く作るコツというと、作り置きという手もあるのですが、作り置きはどうも苦手で、今食べたいものを一番おいしい状態で手早く作る方が私にはしっくりきました。

そんな「おいしく手早く作る」をテーマに、日々工夫しながらごはん作りをしていると、「重ねて蒸し煮する」という、『重ねて煮るからおいしいレシピ』で紹介している調理法へ行き着いたのです。

煮物にありがちなぼんやりした味つけや、すべてがクタッと柔らかい仕上がりは好きではないので、肉類にははじめにしっかりと下味をつけていちばん下に並べ、色や食感を出したい野菜はその上にのせるようにします。そうすると、短時間で調理でき、理想的な仕上がりとなりました。

そんな私の日々の生活から生まれたレシピをご紹介します。時短だけれど、夢がある料理。手間はかけないけれど、たくさんの工夫が生かされています。食べることが大好きで、毎日頑張っているみなさんのお役に立てたらうれしいです。

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近藤幸子さんの著書『重ねて煮るからおいしいレシピ』(主婦と生活社)より

鶏肉とトマトのレモン蒸し
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「撮影現場でも評判が良かった、この本を代表するレシピです。ちょっとしたおもてなしにもぴったりです」

材料

|鶏もも肉 ─ 1枚(250g)
| → 4等分に切る
|しょうゆ ─ 小さじ1
|塩 ─ 小さじ3/4
|砂糖 ─ 小さじ1/4
|にんにく(薄切り)─ 1/2片分
| → 鶏肉以外の材料を混ぜ合わせ、鶏肉に絡めて10分ほどおく

ミディトマト ─ 4個
かぶ ─ 2個
 → 根と葉に分け、根は4~6等分のくし形切り、葉はざく切りにする
モロッコいんげん ─ 4本
 → 2等分の斜め切り
レモンの薄切り ─ 2枚
白ワイン ─ 大さじ2
水 ─ 大さじ2

レシピ

1 鍋に鶏肉、トマト、かぶの根、モロッコいんげんを順に重ね入れ、レモンをのせ、白ワイン、水を加える。強めの中火にかけ、湯気が上がったらふたをし、中火で8分ほど蒸し煮にする。
2 火を止めてかぶの葉を加え、ふたをして1分ほど蒸らす。

note
・レモンの風味が具材それぞれの旨みを引き立たせる。
・ミディトマトの代わりに普通のトマトを使う場合は半分に切る。ミニトマトでも可。
・かぶやモロッコいんげんはその季節の旬の野菜に代えてもよい


文・写真/近藤幸子 料理写真/鈴木泰介

→その他の近藤幸子さんのレシピはこちら

近藤幸子『重ねて煮るからおいしいレシピ』(主婦と生活社刊)定価:本体1350円+税

23日重ねて煮るcover
材料を鍋に入れて煮るだけの簡単レシピ集。調理時間は15分ほど。それでいておいしくておしゃれ。忙しい方にぴったりです。

 

Profile

近藤幸子

Kondo Sachiko

料理研究家、管理栄養士。宮城県出身。料理学校、料理研究家のアシスタントを経て独立。楽しみながら作る料理教室「おいしい週末」主宰。簡単でシンプル、それでいて気の利いた料理を好む。子育てをする日々の中で、がんばりすぎないコツを研究中。著書に『おいしい週末、だれか来る日のごちそう献立』(地球丸)など。
おいしい週末Web

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