素敵な先輩方に聞いた「“これから”の暮らしと食卓」

新刊のお知らせ
2019.01.10

これまでとは別の場所に住まいを移す、
仕事のスタイルを無理のない形に変える、
子どもが独立して家族形態が変化する……。

「暮らしとおしゃれの編集室」を読んでくださっている方の中には、そんな人生の節目を迎えようとしている方もいらっしゃると思います。さらには、年々体調を整えるのが大変になってくることもあり、“日々の食”に、より気を使うようになった方も多いのではないでしょうか?

食べることは、人生を作ること。特にこれからの暮らしにおいて“食”は、大きなウェートを占めることになるでしょう。もう子ども中心のメニューを考えなくてもいいし、自分自身の体調や好み、志向と向き合う時間をたっぷりとれるようになってきた……。そんな世代の方々の食卓は今、どんなスタイルに変わっているのでしょう?

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そこで「暮らしとおしゃれの編集室」では、半年という長い時間をかけて、60代になった素敵な先輩方に“今の食卓”についてじっくり深―く取材させていただきました。いよいよ来週1月18日に、それらをまとめた本が発売されます! タイトルは、「“これから”の暮らしと食卓」

話をお聞きした方々は、料理家、フードスタイリスト、食の話を中心に執筆するエッセイストなど、みなさん食のプロばかりです。今日は少しずつですが、その内容をご紹介しますね。

●エッセイスト・平松洋子さん
料理名にとらわれず、
素材の持ち味を生かす
名のない料理を作ります。

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こちらは、ほうれん草、春菊、スナップえんどう、いんげんなど、緑の野菜をにんにくと一緒に厚手の鍋で蒸し、オリーブオイルと塩をかけたもの。名前をつけられない、いたってシンプルな料理。でも、そういう料理が今の自分にはぴったりくる、と平松さんは言います。

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料理の撮影が終わって、近所の喫茶店「JUHA」でホッとひと休み中。じつは平松さんの手料理を撮影させていただける機会は、かなり貴重! ここ数年は、ご自身で取材をして文章にすることが多く、自身が作った料理を紹介することはほとんどないのだとか。「緊張する~」と、はにかむ平松さんも素敵でした。

本の中では、素材の味が身に沁みるシンプル料理のレシピのほか、日差しがさんさんと降り注ぐ気持ちよさそーな平松家のダイニングルームもご紹介していますよ。お楽しみに~。


●スタイリスト・高橋みどりさん
東京の家、週末の家、
暮らし方が違うから食卓も変わります。

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食パンのサイドにフォークを差し、ガスコンロで直接あぶる……こんなカッコいいトーストの仕方ってあるんでしょうか!? 高橋さんが週末を過ごす栃木・黒磯の家の食卓は、とてもおおらか。こんな料理が似合います。

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広々と開放感のあるオープンキッチン。週末、高橋さん宅のこのキッチンの扉が開いていると、ご近所さんが次々とやってくるそう。食卓に出すのはおもてなし料理ではなく、いつも作っている普段のおかずたちです。

今回の取材では、この黒磯の食卓と、東京のマンションでの食卓、両方を撮影させていただきました。高橋さんの軽やかな二拠点生活の様子は必見です!

●料理家・枝元なほみさん
台所の窓って
社会につながっているんです。

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みんなの心を一瞬で幸せにしてしまう、この笑顔。ほのぼのした取材になるかと思いきや、枝元さんからお聞きしたお話は、かなり骨太です。食を通じて、農業支援や地域おこしなどを積極的に行っている枝元さん。「食べ物の選択をきちんとすることは、社会に対してのアクションでもあるんです」と語ります。

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「お金を出さなくてはごちそうにたどり着けない、という考え方はもったいないと思う」と枝元さん。炊き立てのごはんと卵があるだけで、最高に幸せ! と思えるほうが、豊かなのかもしれませんね。ちなみにこちらの卵は、凍らせた卵黄をしょうゆ漬けした「満月玉子」。これでごはん何杯でもいけちゃいますよ。もちろんレシピもご紹介していますー。

●エッセイスト・石黒智子さん
60代の今こそと思い、
台所で使う道具を見直しました。

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主婦、家事アドバイザーとして、長年、新聞や雑誌の連載、自身の著書などでさまざまな提案をしてきた石黒さん。そのキッチンは惚れ惚れするほど美しく、そして使いやすく整えられています。そんな石黒さんも60代。子供が独立して夫婦ふたりになり、暮らし方が変わり始めたのをきっかけに、今まで使っていたものをすみからすみまで見直したという噂を聞いて、ご自宅に取材に伺いました。

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本の中では、変えたことでラクになったもの、もっと清潔に保てるもの、そしてより心が豊かになるものなど、たくさんご紹介していますよ。石黒さんのセレクトは、すべてに「なるほど!」という理由があるものばかり。もの選びの参考にもなりそうです。


●「ファーマーズテーブル」店主・石川博子さん
レパートリー以外の料理は
もうほとんど作らなくなりました。

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昔ながらの和の献立に、素敵な器使いが目を引く食卓ですね。こちらは、生活雑貨を扱うセレクトショップの先駆け「Farmer's Table」を30年以上前から営む石川さんの夕ごはん。ご主人は白米好き、石川さんは玄米好きなので、毎日交互に炊いているという微笑ましいエピソードを聞かせていただきました。

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娘さんのためにレシピとにらめっこしながらシチューやグラタンを作ることもなくなった今、食卓にのぼるのは、昔、母が作ってくれた、自分の舌が慣れ親しんでいる料理ばかり。「台所で頑張るのに、疲れてきちゃったのかもしれない」といって笑う石川さんは、ほどよく肩の力がぬけていて、幸せそうでした。

●「iori」園部曉美さん、中園五月さん
肉や魚を避けた精進生活。
続けてみたら面白く、
何より心地いいのです。

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とってもチャーミングなグレーヘアのふたり、実は姉妹なんです。仲良し姉妹が主宰する「iori」の精進料理教室。こちらに登場するメニューは、お坊さんが食べるような従来の精進料理のイメージとはちょっと違います。

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餃子にカレー、そしてこちらは焼き肉に見立てた車麩。デザートにはレアチーズケーキも並びます。多くの人が普段食べている料理とほとんど変わらないのです。家庭料理に取り入れやすく、満足感のあるこんな精進料理なら、興味がわいてきますよね。

精進料理の生活をするようになって、体はもちろん、心も軽くなったというおふたり。「以前は怒りっぽいタイプだった」というのが信じられないほど、穏やかな笑顔でした。年を重ねた今の自分に合う“食”を模索中の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

●料理家・脇 雅世さん
山盛りサラダと肉や魚。
たんぱく質中心の糖質オフに挑戦中です。

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長年、料理家として活躍してきた脇さんも、3人の娘さんを育てていた時期と今とで、食生活をガラリと変えたおひとり。血糖値が上がる糖質の多い炭水化物や甘いものを控え、野菜とたんぱく質を中心とした糖質オフ生活を夫婦で続けています。

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そんな脇さん宅のカレーは、カレーライスではなくカレー&お豆腐。豆腐のやさしい味わいが、スパイスに合うんですー。糖質オフを始めるなら中途半端にではなく、しっかり向き合うのがおすすめだそう。

ボトムが2サイズもダウンし、膝や腰の負担も軽くなった気がするという脇さん。その生き生きとした笑顔を見ていると、食卓を根本的に見直すのもアリなのでは? と真剣に考え始めた取材陣なのでした。

 

この7名のほか、管理栄養士の先生、80代の素敵な大先輩、ごはんに合うおかず作りの達人にも、これまた別の角度からお話を伺っています。この本に載っている先輩方の考え方や暮らし方はきっと、みなさんの“これからの食卓”の道しるべになってくれるはずです。ぜひ、お手に取ってみてくださいね。


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photo:齋藤圭吾、竹内章雄、杉能信介、砂原文、濱津和貴、萬田康文

『“これから”の暮らしと食卓』

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主婦と生活社刊 ナチュリラ別冊
1200円+税 AB判 112ページ

 

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