倉敷編vol.3 暮らすように泊まる「御坂の家」

地元のおしゃれさんの わたしの街
2017.05.20

~建築士・仁科美穂子さん~

地方在住のおしゃれさんに、地元のとっておきの場所を月替わりで案内していただく週末連載「わたしの街」。今月は、以前「暮らしのおへそ」にも登場していただいた、岡山県倉敷在住の建築士・仁科美穂子さんに案内していただいています。3月の「岡山編」とともに、初夏の旅の計画にお役立てくださいね。

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登り口02
倉敷の本町通りから見上げた山際に建つ、一軒の小さな家。長い間、空き家のまま、いつしか廃屋となっていました。でも、そこは美観地区の家並みを一望できる立地。決して豪華ではないけれど、まるで灯台のように建つその家を「どうにかしたい!」という思いが重なり、倉敷の人々の手で生まれ変わりました。それが、今日ご紹介する「御坂の家」です。
外観03

今から10年前、倉敷中心地でも空き家や駐車場が目立つようになりました。そこで、街に暮らす人や店主で設立したNPO法人倉敷町家トラストが、「まちに灯をともす」という合言葉で再生した第一号物件です。私も理事の一人として、この家の運営のお手伝いをしています。

外観02
ここはホテルでも旅館でもなく、小さな10坪の平屋をお貸しする宿泊施設。倉敷の暮らしを体験していただけます。テレビも時計も無いので、泊まられる方はゆっくりとした時間を思い思いに楽しまれているようです。

お食事の提供もありませんが、近所には美味しいパン屋、カフェ、飲食店が並んでいます。宿泊受付のときに地元在住のスタッフが、お客様の希望に合うお店やスポットをアドバイスしますので、何でも聞いて下さいね。

再生後01
畳に土間、梁……古い町家の要素はそのままに、お風呂やミニキッチンなどは完備されていますので、懐かしさと快適性がほどよくミックスされた空間です。小さいながらも一通りの物は揃っています。
再生後02

別荘感覚で毎年訪れる方や、この家を拠点に瀬戸内海の島々を巡り一週間ほど滞在する方など、使い方はさまざま。ある母娘2人旅の方は「倉敷で買ったばかりの備前焼の一輪挿しに、さっそく近所に咲いていた野花を活けて楽しみました」とおっしゃっていました。

和室02
寝室となる部屋は和室6帖のみ。畳なので、赤ちゃんと一緒に来られる方にも喜ばれています。

縁側02
みなさんが気に入っている縁側。建具を全開すると、庭と一体に。ここで昼寝をしたり、夏は近所でスイカを買ってきてここでのんびり食べたり。縁側には、部屋とは違うリラックス効果があるようです。

ちゃぶ台と民藝
倉敷は民藝が生活に根づいている街。お皿やコップなどの食器類は、倉敷の民藝品を実際に使っていただけるので、「用の美」を感じることができると思います。

MUNI
イスに敷いているのは、この近くに本店を構える「MUNI」のミニカーペット。

teori
ハンガーは、竹工芸「TEORI」のものです。倉敷の上質な物を、暮らしの中に取り入れて……。

ここに泊まれば、神社がある山へ朝の散歩、地元の人との会話、鳥のさえずりまでもなんだか「自分の街」のように身近に感じることができます。旅した人が、街並みの美しさだけでなく、倉敷の文化や人の記憶とともに倉敷を思い出してくれる……それが「まちに灯りをともす」ことに繋がっていけたら幸せですね。

 

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倉敷 御坂の家

MAP:
岡山県倉敷市本町11-16
宿泊の予約はこちらのサイトから
http://www.onsaka.jp/simple_site/

Profile

仁科美穂子 

mihoko nishina

東京の設計事務所に勤務後、2002年に岡山県倉敷市に移住。2007年、夫婦で仁科建築設計事務所を開設し、町家トラストの再生事業をはじめ、多くの古民家再生に携わる。
http://www.nishina-arch.com

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