「今日のひとしな」4月の担当は「群言堂(ぐんげんどう)」

今日のひとしな
2018.03.31

いよいよ明日から4月。入園、入学、お引越しなど、新生活を始める方も多いかもしれませんね。4月の「今日のひとしな」は、衣食住をトータルで提案するお店「群言堂(ぐんげんどう)」のスタッフの皆さんに担当していただきます。古きよきものから本質を学び、時代に合った新しいものを創る──「復古創新」をテーマにしたもの作りは、改めて”暮らし”を見直すきっかけになってくれそうです。

 

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北海道から九州まで、「群言堂」の店舗は全国に32か所ありますが、その本店は島根県大田市大森町にあります。人口400人あまり、山間のこの町は、かつて世界有数の銀の産出量を誇り、「石見銀山とその文化的景観」として2007年に世界文化遺跡に登録されました。町では住民以外の車両を規制する「パーク&ライド」を採用していて、大森のメインストリートは今も車がなかった時代のゆったりした面影を残しています。

 

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古民家が連なる道をぶらぶら歩いてゆくと、昔ながらの赤い丸型ポストが見えてきます。ここが「群言堂 石見銀山本店」。「群言堂」を運営する石見銀山生活文化研究所では、これまで10軒もの古民家再生を手がけていますが、その第1号がこちら。約30年前に300坪の土地と空き家を買い取り、少しずつ改修してきました。現在の姿になるまで18年という歳月をかけたそうです。

 

 

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大森のメインストリートに位置する「群言堂 石見銀山本店」。軒先の赤いポストが目印。

 

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入り口を入ってまず、目に飛び込んでくるのが八畳間を大胆に使った季節のしつらいです。この日は、羽釜やそろばん、糸車など、昔ながらの生活道具が天井から吊るされて、古民家の一室を彩っていました。躍動感あふれるディスプレイはまるで現代アートのよう!

 

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お店の中央に位置する中庭にはこの町在住の彫刻家・吉田正純さんの鉄の作品が。

玄関で靴を脱ぎ、奥に進むと中庭が見えてきます。この中庭を中心に左手が「衣」のコーナー。右手がお茶や軽食を楽しめるカフェ、さらにその奥に「生活雑貨」のコーナーが続きます。2階にはさまざまな展示を行うイベントスペースも。都心では考えられないほど贅沢な空間の使い方ですね。

 

 

まず、左手の「衣」のコーナーへ足を進めてみましょう。心地よい日差しが降り注ぐ空間に、オリジナルブランドの洋服のほか、靴や帽子、アクセサリーなどが並んでいます。

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「群言堂」では、現在3つのオリジナルブランド「登美」「根々」「Gungendo Laboratory(グンゲンドウラボラトリー)」と「MeDu(めづ)」という化粧品ブランドを展開しています。「登美」は、代表の松場登美さんが、40代の頃に立ち上げました。「子育てがひと段落した頃、大人の女性が日常で着られて、おしゃれ心を満足させてくれる服が世の中に見当たらなかった」ことがきっかけだったそう。体をしめつけず、着心地が良いこと。さらに、ただ楽なだけでなく、大人をきれいに見せてくれること。日本の昔ながらの製法や産地にこだわった、大人の女性が納得できるクオリティであること、が基本コンセプト。

「根々」は、その娘世代のための服。着心地の良さなど「登美」のコンセプトを受け継ぎつつ、子育て世代ならではの、元気でキュートな服を提案。

「Gungendo Laboratory」は、この町周辺に自生する植物の枝や葉、実などを使って「ボタニカルダイ」という技法で染め上げた「里山パレット」シリーズを中心に、地域資源を活かした物づくりをしています。

 

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(左)ボートネックに後ろ襟をつけたプルオーバー。気になる首~背中の厚みを隠しつつ、顔まわりをすっきり見せてくれる。「登美」ルポワン染め麻シャンブレーブラウス¥24,000 (中)両サイドを長くとり、自然な動きが出るシルエット。「天国に一番近い集落」と呼ばれている島根県邑南町の川角(かいずみ)という限界集落の春を彩る花桃を使用してペールピンクに染め上げた。「Gungendo Laboratory」パレットボイルブラウス¥18,800 (右)春の訪れを感じるヨモギ柄のワンピース。ボタンを開ければ春先のはおりとしても活躍。「根々」リネン蓬ワンピースジャケット¥32,000

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「Gungendo Laboratory」では、トートバッグやソックス、スニーカーなどの取り扱いも。ユニセックスなサイズ展開で従来の「登美」や「根々」のファン以外にも支持を広げている。

 

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器やかご、ふきんなどが並ぶ「生活雑貨」のコーナー。島根ゆかりの食材から、日本各地の職人さんが作ったものまで、初めて目にする暮らしの道具もたくさん!

 

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オリジナルエプロンは、人気商品。母の日のプレゼントにもぴったり。

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昔ながらのガラスのしょうゆ差しの隣には豆皿が。食卓に置いたときの情景が浮かぶようなディスプレイも楽しい。

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島根県のすり鉢専門メーカー「元重製陶所」と一緒に作った石見焼のすり鉢。古くから水がめを作っていた石見焼の技を生かして、現代の食卓に合うような釉薬にこだわった、まさに「復古創新」のもの作り。

 

「群言堂」オリジナルといえば、もうひとつ。スキンケア化粧品「MeDu」も大森町ならではのアイテムです。石見銀山に咲く梅の花から発見された「梅花酵母」を配合し、2015年に誕生しました。「梅花酵母」は保湿効果が高く、シミやシワ、くすみを防ぐ抗糖化効果を持つと言われ、原料の95%が天然由来成分。肌に直接つけるものはできるだけナチュラルに、と考える人にぴったりのシリーズです。

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「MeDu」の保湿洗顔石けん、ローション、保湿クリーム。基本のお手入れは、朝晩この3点セットでOK。

 

さて、そろそろお昼どきなので、カフェへ行ってみましょうか。お買い物の途中で、ちょっとひと休みできるのは嬉しいですねー。

 

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中庭に面したカフェは光が差し込む気持ちのいい空間。

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奥の坪庭を眺められるカウンター席は、落ち着いた雰囲気。

 

 

 

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この日、私たちがいただいたのは、「里山おむすび(税込1000円、飲み物付)」。島根県神西湖のしじみのおみそ汁と小鉢、おつけものがワンプレートに可愛らしくセットされています。真ん中の風呂敷を開けてみると……

 

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竹の皮に包まれた、おむすびが3つ。塩むすび、焼きむすび、もうひとつは季節の食材を使った具入りで、この日は春らしく、ふきのとう味噌でした。シンプルながら旬を感じる豊かなひと皿。ちなみにご飯を炊いている一志郎窯の土鍋はお店でも購入できるそうですよ。

 

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小さなおやつをつけるとプラス300円。もちろんつけます! お食事はおむすびのほか、カレーやハヤシライス、カフェメニューにはケーキ類も。

 

 

「母娘孫と3世代で、1日中過ごされる方もいらっしゃいますよ」と話してくれたのは店長の山形さん。確かにこれだけの施設であれば、何時間でも楽しめそう。

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以前は千葉県のお店に勤務していた店長の山形さん。自ら希望して大森町へ移住したそう。

「『群言堂』では、お買い物をしていただくとポイントが貯まるのですが、そのポイントは『里山からのおくりもの』として島根のお米や海の幸などに交換できるんです。じっくり貯めていただくと、ここ大森町で私たちが運営している宿『他郷阿部家』にお泊りいただけます。以前勤めていたお店のお客様が、本店まで訪ねてきてくださったこともあって、そのときは嬉しかったですね」

 

廃屋同然だった古民家を再生し、島根のよいもの、日本各地の残しておきたいものを全国へ発信している「群言堂」。石見銀山生活文化研究所の会長、松場大吉さんは「本店は商品のショールームではなく、考え方のショールーム」と語ります。明日からの連載では、その本店がある大森町から、次の世代へ残したい「衣・食・住・美」のアイテムを紹介していただきます。ぜひ、”明日の暮らし”を考えるヒントをたくさん見つけてくださいね。

 

photo:岡田久仁子

 

群言堂

株式会社 石見銀山生活文化研究所が展開する衣料品・生活雑貨ブランド。古きよきものから本質を学び、時代に合った新しいものを創る──「復古創新」をテーマに古民家を再生した本店には、服や生活雑貨を扱うショップのほか、ギャラリーやカフェも併設。「今日のひとしな」は、スタッフの皆さんがリレー形式で執筆。
https://www.gungendo.co.jp/

 

群言堂 石見銀山本店
TEL:0854-89-0077
島根県大田市大森町ハ183
営業時間:10:00~18:00
カフェは11:00~(食事15:00ラストオーダー、カフェ17:00ラストオーダー)
定休日:祝日を除く水曜日、年末年始および臨時休あり

 

群言堂 丸の内店
TEL:03-6206-3432
東京都千代田区丸の内2-7-2
JPタワーKITTE丸の内 2F
営業時間:11:00~21:00 日・祝11:00~20:00(祝日前は21:00)

 

 

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