“粋とモダン”、おしゃれな和ガラス「廣田硝子」

大人の江戸あるき
2018.08.17

“ぎやまん”は江戸庶民の憧れ


私たちの暮らしには欠かせないガラス製の日用品。お皿やグラス、調味料入れや保存瓶など、毎日手にとって使う身近な存在です。

 

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霰文様をとりいれた涼しげな「あられ」シリーズ


江戸時代は、日本製の吹きガラスを“びいどろ”、上質な日本製ガラスや舶来物をぎやまん、と呼んでいました。江戸後期には、日本橋のガラス問屋「加賀屋」の引き札(今でいうカタログ)にも切子や瓶が描かれていて、庶民には縁がないものの、知られた存在ではありました。

 

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すみだ江戸切子館に飾られた「加賀屋の引き札」

 

江戸庶民の憧れだったガラスは、西洋化をめざす明治政府が品川に官製ガラス工場を作り、工芸品から工業品へと変わっていきます。そして明治から大正にかけて、人々の暮らしをガラスの道具が彩るようになります。

 

日本の暮らしになじむ和硝子


ものづくりの町として知られる東京・錦糸町。昔から皮革、鉄工などの町工場とともに、ガラス工場も多い町です。この町に、明治の終わりに創業した「廣田硝子」があります。ガラスの歴史と一様に、業務用から暮らしの道具へと、時代ごとにさまざまなガラスを手掛けてきました。

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器から照明まで手掛けている廣田硝子。


創業時からの意匠や鋳型をもとに、今では四代目の廣田達朗さんがデザイナーとともに製品を企画。照明から食器まで幅広く生産しています。“日本の暮らしになじむ和硝子を”と手掛ける製品は、デザインがポップでもモダンでも粋でも、使っているシーンが思い浮かぶものばかり。とても身近で、温かみを感じる、そんな印象を受けました。

 

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招き猫のお菓子瓶。手仕事ゆえの表情違いも魅力のひとつ/大10,000円・小6,000円

 

日々使いたい、おしゃれな江戸・東京ガラス


廣田硝子では伝統技術の継承にも力を入れていて、2004年には江戸切子の工房兼ショップ「すみだ江戸切子館」を開設。江戸切子づくりを体験できるため、週末は観光客などでにぎわっています。

 

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熟練の職人がひとつひとつ細やかな文様を施していく。


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カットしたグラスを磨くことで美しく輝きはじめる。

 

正統派切子はもちろんですが、粋でポップな「江戸切子蓋ちょこ」、切子文様をいれたモダンな「水差し」や「文鎮」、遊び心のある切子の「万華鏡」など、伝統を取り入れながら新たな世界を展開しています。

 

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7種類の文様が揃う「江戸切子蓋ちょこ」/20,000円


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切子細工の水差し「潤しずく」/25,000円(左)、30,000円(右)。会津漆と掛け合わせた「漆硝子文鎮」/20,000円

 

伝統柄を施したガラス製品やモダンな感覚を刻んだ江戸切子。日々使いたくなる、ちょっぴり粋でモダンな江戸・東京ガラスが廣田硝子には揃っています。


*商品すべて税別、2018年8月現在の価格です。


text・photo:森 有貴子

廣田硝子(すみだ和がらす館)
東京都墨田区錦糸2-6-5

☎03-3623-4145
営業時間 11時-17時
休日 土日・祝日及び夏季・年末年始休暇
http://hirota-glass.co.jp

Profile

森有貴子

Yukiko Mori

編集・執筆業。江戸の老舗をめぐり、道具と現代の暮らしをつないだ『江戸な日用品』を出版、『別冊太陽 銀座をつくるひと。』で日本橋の老舗について執筆(ともに平凡社)。落語、相撲、歌舞伎、寺社仏閣&老舗巡りなど江戸文化と旅が好き。江戸好きが高じて、江戸の暦行事や老舗についてネットラジオで語る番組を2年ほど担当。その時どきで興味がある、ひと・こと・もの、を追求中。江戸的でもないですが、instagram morissy_edo も。

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