弘前編 vol.3 かご好きの聖地「三上幸男竹製品販売センター」 ~「yourwear」佐藤孔代さん~

地元のおしゃれさんの わたしの街
2016.07.16

地方在住のおしゃれさんに、地元のとっておきの場所を案内していただく人気連載「わたしの街」。今月、青森・弘前編を担当してくださっているのは、ニットブランド「yourwear(ユアウェア)」の佐藤孔代さんです。
歴史ある城下町・弘前には、おしゃれなお店がたくさん並んでいるわけではないけれど、じつは知る人ぞ知る素敵なお店やスポットがけっこう潜んでいるんです。今月の連載では、佐藤さんのアンテナにビビビとヒットしたスポットを紹介していただきます。この連載に登場する穴場スポットはもちろん、弘前には桜が有名な弘前城や、津軽富士とも呼ばれる岩木山の雄大な姿、ル・コルビジェの弟子・前川國男によるモダニズム建築などなど見どころがいっぱい。1泊のんびり旅に、絶対おすすめですよ~!

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理想的な買い物は、作り手から直接買うことだと思っています。作っている場所で買えるなら、さらにいい。ここ「三上幸男竹製品販売センター」は、作り手である三上幸男さんの作業場に併設された、竹かごの販売所。作り手の作業を見せて頂きながら、たくさんのかごの中からお気に入りを吟味できる、まさにとっておきの場所です。

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弘前市郊外、愛宕地区にある「三上幸男竹製品販売センター」。この地域はその昔、りんごの収穫に使う竹かごを作る家が、およそ100軒もある集落でした。今でもりんごの収穫にはこの竹かごが使われているそうで、しなやかさと軽さ、丈夫さがあり、収穫の際りんごに傷が付かないのは、プラスチックではなく、やはりこの手作りの竹かごが使われているからなのだとか。

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当時、トラックで各家々を回り、日に何百も出来上がるかごを集めて青森の農家さんや漁師さんにかごの卸しをしていた三上家。さらにそれを直販出来る場所が必要になり、このセンターを始められたそう。しかし、今かごを作るお家は三上家のみ(三上さん、奥さん、娘さん)になり、その作り手の少ない貴重な竹かごを求めて全国から注文がひっきりなしです。

作業場脇の事務所にはかごの見本が多数吊るされていて、圧巻。それぞれ作られた時期が大きく違うので、経年変化の様子がよくわかります。

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しかし、女子はどうしてこうも「かご」好きか? ずらりと並んだかごを前にして、大量のアドレナリンが出ているであろう私。だってですよ、雑貨屋さんや地元の民芸屋さんでも見かけたことのない形や大きさ、ディティール。そして、非売品のビンテージ竹かご……。取材中、溢れる物欲を抑えこんで平静を装うのに必死でした(笑)。

これは50年ほど前のもの。青みを帯びていた竹が、まるでオイルをたっぷりと含んだ革のような色合いに変化していて、艶の美しいこと。ここまで使い込めたら、かご上級者。

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材料になるのは笹の一種、ネマガリタケ。三上さんが使うのは三年から四年目の竹。余談ですが、ネマガリタケのタケノコは食すことも出来て、このあたりでは一番人気の山菜です。これが本当に美味しい!

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これは三上さんがかご作りに使う道具のほぼ全て。材料は近隣の山に採りに行き、この道具で大きいもの、小さいもの、全てのかごを作る。あとは自分の腕のみ。そして、役目を終えた竹かごはまた土に帰る。

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三上さんは言葉少なだけれど、作られた竹かごの実用的な美しさ、材料の出自とその先の簡潔さに多くの説明はいらないのだろうと思い到りました。そして、自分の理想とするような仕事への姿勢を見せられて、一瞬考え込んでもしまった取材後半。

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でも、そこはやっぱり女子。しっかりかごは買って帰りましたよー。うふふ。


photo:船橋陽馬

 

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三上幸男竹製品販売センター

青森県弘前市愛宕山下71-1
TEL 0172-82-2847
営業日、時間はお問い合わせのうえお出掛けください。

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