「東屋(あずまや)」の印判小皿 ~cotogoto(コトゴト)より vol.31~

今日のひとしな
2016.08.31

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何を隠そう、この小皿、自分の結婚式の引出物にさせていただいた商品でございます。

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当然、お店の商品の中から選びたいとは思っていましたが、いざ、どれかひとつに絞るとなると、かなり難しく、さんざん悩みに悩んだあげく決めたのが、この「東屋」さんの小皿5枚のセットでした。

だってやっぱり、普通に使えるものがいいじゃないですか。流行ものとか、変にブランドを主張したものとか、ましてや新郎新婦の名前がプリントされたお皿なんかをもらっても、途方に暮れるだけじゃないですか。

となると小皿って、何かと使いますよね。しかもこの「東屋」さんの小皿は、直径12cm弱と大きさが絶妙で、縁がわずかに立ち上がっているから、お醤油などの汁気があるものも安心して使えます。磁器だから、レンジも食洗機もOK。普段使いには申し分のないスペックなのです。

さらにその模様は「印判(いんばん)」という技法によるもの。「印判」とは、各模様の「転写紙」を作って、それを一枚一枚、人の手によって無地の皿に移していくという、古くは明治時代から伝わる技法です。なので、よーく見てみると、色の濃淡があったり、微妙に模様がかすれているところがあったりして、味わいがあり素敵です。

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老若男女を問わず、喜んでいただけるのではないかしら、と思い、引出物の品とさせていただいた次第です。時々、友人のSNSでこの小皿を使った投稿を見つけたりすると、けっこううれしかったりして。

昔は引出物に「ワレモノ」を選ぶのは縁起が悪い、なんていう時代もあったそうですね。今となっては、食器は引出物の定番です。

引出物だから、というわけではないのですが、「ワレモノ」って「ワレモノ」だからいいと思うときがあります。いつか割れてしまう可能性がある、気をつけないと壊れてしまう。どんなに丈夫なモノだって、少しずつ劣化をする。使うときに気を使わなければいけないことは確かです。でも、だからこそ、大切にしようと思える。いつかなくなってしまうかもしれないから、今、ここにあることがありがたいと思える。

なんだかちょっと精神的な話になってしまいますが、普段、器を扱っていると、時々そんなことに思いを巡らせてしまうことがあるんですよね。

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「一生ものですよ」なんてセールストークを使うことがありますが、かくいう商品に、壊れないという補償があるわけではありません。モノには必ず寿命があって、どんなものだって、いつかはきっとダメになる時が来ます。

けれど、それを知っているからこそ、大切にしようとして、お手入れをきちんとします。時には修理にも出します。そしてまた、使うとき、洗うとき、仕舞うとき、モノに心を配るのです。そうすることで、モノたちは活き活きと長生きをしながら、美しい経年変化を見せてくれます。そして、人間の一生よりも長く、孫子の代まで使うことができるものもあるのです。

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今日でこの連載は最後になりますが、本当はまだまだご紹介しきれなかった、いいモノたちが「cotogoto」にはたくさんあります。ワレモノが多いですが、毎日の、普通の暮らしに、そっと寄り添うことができるようなモノばかりだと思います。よろしければぜひ、高円寺にある実店舗やオンラインショップに遊びに来てくださいね。長く使っていただけるモノと出会っていただけたなら、それほどうれしいことはありません。


印判小皿(東屋)
905円(税込)

cotogoto(コトゴト)

炊事や洗濯、掃除といった家事の道具が並ぶお店。日本の素材を使い、四季のある風土や暮らしの中で使いやすいよう丁寧に作られたアイテムをラインナップ。「今日のひとしな」のコラム執筆は、店主の涌井玲子さん。

東京都杉並区高円寺南4-27-17-2F
TEL:03-3318-0313
11:00~20:00 無休
http://www.cotogoto.jp

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