お正月の朝ごはん

器店主の朝ごはん
2017.01.01

~「うつわPARTY」坂根さよみさん vol.1~

 

あけましておめでとうございます。
1月のコラムを担当させていただく「PARTY」の坂根です。井の頭線 駒場東大前で小さなうつわの店を開いています。どうぞよろしくお願いします。

さて、お正月。
わが家はパートナーとのふたり暮らしですが、ふたりとも年取った母が一人暮らしをしているので、年越しはそれぞれの実家でします。年末に自宅の大掃除をしていったん解散。年明け、4日頃に「あけましておめでとう。今年もよろしく」と再集合!

そんなわけで、最初の朝ごはんはお正月のご馳走に疲れた胃を休める、こんなお野菜たっぷりのお雑煮になったりします。

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お雑煮を盛っているのは、小林慎二さんの漆のお椀。ほんとは「飯椀」ですけれど、ゆったりとしたかたちとサイズが大好きで、具沢山のお汁によく使います。

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おかずのお皿は、木工作家の富山孝一さんの「サビ板」という作品で、これも漆がかけてあります。

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うちでは、漆の椀をよく使います。毎朝のお味噌汁はもちろん、お鍋の取り鉢、小どんぶり、ときには、お浸しや煮物の鉢として。大振りのものは、おそばやうどん、ラーメンにも。

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こちらは岩手県・浄法寺の漆で作られた器を扱う「滴生舎」のお椀。浅めなので取り鉢にぴったり。

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こちらは、丸いかたちが可愛い中野知昭さんの、椎の実椀。ごはんものに丁度いいサイズです。

最初に買った「作家もの」の漆のお椀は、手塚俊明さんのもの。もう、うつわ屋を始めていた30代後半でしたが、漆の展示を見に行ったとき、手塚さんご自身がいらして、たしか10年ぐらい使い込んだお椀を見せてくださり「こんなに艶が出るんです」と聞いたとたん、溜塗りのお椀を「ください」と言っていました。

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それから、20年あまり。毎日使っていた訳ではないけれど、長い年月に磨かれて、気がつけばこんなにピカピカになっていたお椀。ある日、手塚さんに見せると本当に感動してくれて、とても嬉しかったのを覚えています。

そう、使い込むほど美しくなる漆。
「漆のお椀、いつかは欲しいと憧れているんです」というお客さまがよくいらっしゃるのですが「だったら、早く買ってたくさん使った方がいいですよ」とおすすめします。10年、20年と長く使って、美しく育てて行くのが漆の醍醐味だし、なにより少し高価なものだからこそ、いっぱい使って「もとを取るぐらい」たのしんで欲しいと思うのです。

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ちなみに、こちらはいま朝ごはんによく使っているお椀。左は、相方のお気に入りの、ちょっと独特の色みの手塚さんのお椀。右は、わたしが愛用の「滴生舎」のお椀。どちらも使い始めてまだ5~6年。成長途中のお椀です。

 

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うつわPARTY

東京都目黒区駒場2-9-2
TEL・FAX:03-3467-6830
不定休(展示会中は無休)
営業時間:12:00~19:00(展示会中は11:00~スタートで、最終日のみ17:00まで)

http://utsuwa-party.com/index.htm

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