常備菜とおむすびの簡単朝ごはん

器店主の朝ごはん
2018.10.14

「matka (まとか)」吉井美晴さん vol.2

こんにちは。群馬県高崎市で「matka(まとか)」という作家ものの器を扱うお店を、夫と二人で主宰しております吉井美晴です。10月の朝ごはんコラムの担当です。毎週日曜日更新でご紹介する我が家の朝ごはんとその器づかい。2回目もよろしくお願いいたします。

 

photo:吉井淳一 text:吉井美晴

朝があまり得意ではない私たち。朝からしっかり食べる。。。ではなく、軽くささっと食べられるものばかりになりがちな朝食メニューは、パンとご飯が半々の割合。そして、前日に残ったお料理、常備菜などが並ぶことが多いです。

 

s-morning_2_8

 

どうしても寂しくなりがちな朝食メニューなのですが、そんな時は素敵な器があって本当に良かった、と実感することが多いです。

 

s-morning_2_9

s-morning_2_10

 

常備菜の南瓜やヒジキの煮物はどうしても地味になりがちです。だからといって、鮮やかな色や大きく絵柄の入った器は、急によそゆきなお洋服を着たようで不釣り合いな気がしてしまいます。

和食は和食らしく堂々と。

南瓜煮は長谷川奈津さんの林檎灰釉浅鉢に、雑穀をたくさん入れたおむすびは林拓児さんの灰釉楕円皿にのせたらお漬物を隣に添えて。

地味で滋味な(笑)ご飯が好きなので、こんな風にどっしりと受け止めてくれる器があると、気持ちよく1日をスタートできるのです。

 

s-morning_2_7

s-morning_2_2

 

そして、和の食卓に欠かせないものと言ったら漆の器。できるだけたくさんのお野菜を一度に食べてもらえるように、と我が家のお味噌汁はいつも具沢山。憧れていた赤木明登さんの正法寺椀は、どっしりとした高台のお陰で、お味噌汁はもちろん、お粥、ポトフなどを盛り付けてもしっくりときます。

温かいものは冷めにくく、軽くて熱を伝えにくい漆の器は、直接手に持って口に運ぶお味噌汁にはピッタリな器です。

 

s-morning_2_6

 

そんな素敵な器を作られている赤木さんの輪島の工房へ、夏の初めの季節にお邪魔してきました。輪島の山は自然の恵みに溢れ、木の実、野草がたくさん。両手に抱えられる分だけ、と山椒の実を収穫させてもらい、山椒味噌、塩漬け、オリーブオイル漬けを仕込み、毎日の食卓で少しずつ楽しんでいます。

夏の初めに仕込んだ実山椒のオリーブオイル漬けを、秋茄子にタラリとかけたら、切なくなるほど爽やかな香りが。茄子のしっとりとした翡翠色と、安斎新・厚子さんの呉須の色、フォルム。どれも美しくて、食べる前にうっとり見惚れてしまうのです。

 

s-morning_2_3

 

林拓児さんの貫入ポットと、長谷川奈津さんの粉引湯呑。季節が秋に変わり涼しくなると、冷たい飲み物からやかんでコトコトと煮出した熱々の三年番茶へと変わります。このポットが来るまでは、1杯飲み終わるごとに席を立ちやかんの前へ、だったのですが、茶こしで濾してポットに入れておくことで、食事中に席を立つことなくゆっくりと過ごせるようになりました。

 

s-morning_2_1

s-morning_2_5

 

三年番茶をコトコトと煮出しているうちに、お味噌汁を作りながらおむすびをむすんで。食事は手のかからないモノばかり、素敵な器と美味しい食材頼りな我が家の朝食です。

来週もよろしくお願いいたします。 

←その他の【matka (まとか)】の記事はこちらから 
←連載「器店主の朝ごはん」はこちらから

matka(まとか)
群馬県高崎市本町122

JR上越新幹線高崎駅・JR高崎線高崎駅より徒歩20分

TEL: 027-386-2428  火・水 休

http://matka122.com

info@matka122.com

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

ページトップ