「Onami」のトレイ270 ~niguramu(にぐらむ)より vol.18~

今日のひとしな
2016.06.18

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プレス機でガツンと打って形を作る大量生産品とは違います。
ヘラ絞りという技法でつくったトレイには手仕事のあとが残り、その上に漆やオハグロで着色することで1つ1つに違う味わいの表情が生まれます。

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デザイナーの山崎義樹氏はデザイン会社から鋳物工場へと転職し、その後自身のデザイン会社「BLOCK DESIGN」を設立した職人仕事とデザインを知る気概ある方。デザインの根っこに、材料とその質感への探求心が潜む商品作りをしている印象です。
さておき、もっと気になるのはいつから山崎さんは髭面なのか……そのことが頭から離れない私です。

作り方はまず、横向きの軸が回転する工業用加工機「旋盤」に、商品の形となる雄型の金型と金属板をセットして、ロクロのように回転させます。ヘラを使って金型に金属板を押し当て、金型の形に沿って金属板を変形させていくのですが、その板を変形させていくことを「板を絞る」といい、ヘラを使って絞るので「ヘラ絞り」と言われています。

何となく陶芸に似ているかもしれません。陶芸粘土のかたまりをロクロで回転させて少しずつ器の形に近づけ、形と細部を最終的に仕上げていく。陶器だと指の跡が残り、「Onami」のヘラ絞りだとヘラ跡が残ります。

実は、ヘラ絞りはヘラ跡を残さず滑らかにツルッとなるまで仕上げるのが普通なのですが、デザイナーの山崎氏が、硬い金属工業製品であっても手仕事から生まれる工程途中の柔らかい表情をデザインとして取り入れたいと、ツルピカ仕上げが普通である戸惑い気味の職人さんとやり取りしながら今のヘラ跡仕様が決まったそうです。

魅力的な着色も、仏具生産や金属着色が盛んな富山県高岡市で仕上げている職人仕事。「ウス茶」は、ステンレスに生漆を焼き付けた後オハグロを焼き付け、表情となるムラをだして仕上げています。時間が経つと革製品の様に深みのある色に変化していきます。

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「黒ゾメ」は鉄に酸化処理を施し黒いムラをだした後、顔料の入っていない漆を焼き付けて仕上げています。深い色の表情が重なり合い、自然にゆっくりと錆びていく表情を楽しむ事ができます。
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ヘラ絞りと伝統的着色の味わい深い表情とシンプルで使いやすいデザインは、配膳トレイとしては勿論ですが、花器などを置いて空間を演出するマット代わりにもオススメです。
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やはり髭をそると童顔になるのかなと、山崎さんのつぶらな瞳が頭をよぎる今日この頃……。

トレイ270
ウス茶 ¥12,960円(税込)、黒ゾメ ¥10,044(税込)

text:辻 喜代司

niguramu ~BRANCH Shop~

日本各地から日用品、雑貨、器、アクセサリーをセレクト。連載コラムの執筆は、店主の辻 喜代司さんと宮嶋ヒロコさん。

 

石川県金沢市高岡町18-13

TEL:076-255-3546

11:00~19:00 火曜定休

http://www.buk.jp

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