木の持ち味を生かした仁城義勝さんの漆のお椀

今日のひとしな
2016.07.04

~copse(コプス)より vol.4~

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月曜の朝、いつものように一週間がはじまりましたね。朝ごはん、きちんと食べてますか? 我が家の食卓で欠かせない器のひとつが、仁城義勝(にんじょうよしかつ)さんの漆のお椀です。

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岡山県で制作されている仁城さんは、丸太を仕入れるところから漆で仕上げるところまで、すべてご自身で手がけています。漆の産地では、木地を挽く、漆を塗るといった工程ごとに分業するのが一般的で、すべて自身で手がける仁城さんのようなスタイルはまれ。

しかも漆は、木を守るために3回程度塗るだけ。「ぼくの器は漆というより木の器」と仁城さんがいうように、あくまで木の持ち味を生かしたいという考えが貫かれています。

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静かな陰影を描く漆は、使っているうちに少しずつ光沢を放ち始めるのが特徴。使用前(左)と10年もの(右)を比べると、まるで異なる器のようですが、使うほど輝き、透き通るように木目が浮かび上がってきます。

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木を大切にしたいという思いは、その造形にもおよびます。托鉢の僧侶の応量器から着想した入れ子椀もそのひとつ。少しずつサイズの異なる器をつくることで、材料を無駄なく使うことができるのです。「人間の命はたかだか数十年。器になっても何百年と生き続けることができる木は、尊い存在」という仁城さん。

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一年のうち制作する量を年頭に決め、乾燥させた丸太を春に挽き、湿気の多い夏に漆を塗るという季節に応じた工程にも、自然への思いを感じます。使うたび天の恵みに感謝しながら、気持ち良く一日を始められるのは仁城さんのお椀のおかげだと思っています。


お椀 6,500円~(税抜)
応量器 38,000円(税抜)

copse(コプス)

器や日常着など、衣食住を提案する雑貨店。連載コラム執筆は、店主の小森知佳さん。

 

東京都練馬区石神井台3-24-39 ロイヤルコトブキ1F
TEL:03-6913-1544
E-mail:info@copse.biz
営業時間:11:30~17:30
定休日:月~水曜(企画展中は無休)
http://www.copse.biz

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