北国から凛とした空気が漂う、大迫友紀さんのガラス

今日のひとしな
2016.07.08

~copse(コプス)より vol.8~

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見知らぬ土地の風景が、ものを通して透けて見えることはありませんか? 私にとって、大迫友紀さんのガラス作品がそう。

日本海に広がるくぐもった空、雪の日に白く凍える窓……。ひとつひとつの作品に、北国の凛とした空気が漂い、陰影に富んだモノトーンの世界が広がっています。静謐な表情をたたえた作品は、眺めているだけで慌ただしい日常が遠のいて、気持ちが研ぎ澄まされていくようです。

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種の一輪挿し 20,000円(税抜)

美大時代は陶芸を専攻していた大迫さんが、ガラスへと転向したのは卒業後。「手を加えるたび前の質感が失われる陶芸ではなく、制作の過程が奥行きとなり、思い通りに仕上げられるガラスのほうが、自分に合う気がして」、富山と金沢でガラスを学びます。

東京で生まれ育った大迫さんにとって北国の暮らしは、新鮮で刺激に満ちていたのでしょう。カットガラスの器は、金沢で暮らした古い日本家屋の窓のイメージから。
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はちかくのお皿(豆皿)1,600円(税抜)

すりガラスのようなグラスは、ガラスを吹いた後、表面を削り、カッティングを行い、最期にもう一度火に戻し上部を溶かすことで美しいグラデーションを表現します。吹く、削る、溶かすといった技を駆使して、ガラス本来の輝きを消し独自の情景を作り出しているのです。

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ダイヤグラス(大)5,000円(税抜)
ダイヤグラス(小)4,800円(税抜)

6月の浴衣展のとき、出張カフェをしてくださった「彗星菓子手製所」さんの和菓子を盛り付けたら、まるで絵に描いたようにぴったり似合って、あらためて大迫さんのガラスに魅了されました。繊細に見えますが意外と厚みがあり、安心して普段使いできるのも魅力です。

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はちかくのお皿(小皿)4,500円(税抜)

copse(コプス)

器や日常着など、衣食住を提案する雑貨店。連載コラム執筆は、店主の小森知佳さん。

東京都練馬区石神井台3-24-39 ロイヤルコトブキ 1F
TEL:03-6913-1544
E-mail:info@copse.biz
営業時間:11:30~17:30
定休日:月~水曜(企画展中は無休)
http://www.copse.biz

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