【夏のお悩み相談室】 不調の種類に合わせて使い分け “アロマ”でお悩み解消!

ナチュリラ
2016.07.25

自然の香りには、体調を整える力があるのです。「夏の暑さにはけっこう弱い」という長田佳子さんが、アロマやハーブ、東洋医学をベースにしたケアを専門にする金井啓子さんに、体を調和する方法について聞きに行きました。

 

Q.冷房からくる冷えや夏バテ、夏風邪を、天然成分のものだけで撃退できますか?

長田さんが金井先生のもとに通い始めたのは、かれこれ5年ほど前から。肌のトラブルに悩んで、相談に訪れたことがきっかけでした。今では、先生からアドバイスをいただいて、日常生活にハーブや漢方精油を取り入れています。

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ハーブや漢方のおかげで、30年以上病気知らずという金井さん。「夏も体を冷やさないよう、冷たいものは飲まないようにしています」

長田 夏になるとどうしても、クーラーの効いた空間で過ごすことが多くなってしまいます。家ではなるべくクーラーをかけずにいますが、そうすると汗を流すためにシャワーの回数が多くなり、体が妙に冷えるような感覚もあって、どちらがいいか迷うんです。

金井 シャワーを浴びる場合は、首すじと腰に少し熱めのお湯を浴びるのがコツです。でもシャワーだけでなく、きちんと浴槽につかることも大切ですよ。日本人はもともと、陰性の体だから冷えやすいんです。欧米人は陽性の体だからシャワー文化だけれど、日本人には、やはり無理があるのね。

長田 どのくらいの時間、お風呂につかっていればいいでしょう?

金井 時間はそんなにかけなくていいんですよ。体がポッと温まったな、と思ったらOK。お湯の量も、腰がつかる程度でいいの。体が温まりやすいのは、実はひざ下。ふくらはぎまでの足湯に、温める働きを持つ精油を湯量に合わせて2~3滴ほど入れると、しっかり早く温まります。

アロマオイルは「冷やす・温める」で使い分け

長田 温める効果のある精油というと、何があるのでしょう。

金井 ローズマリーやクラリーセージ、クローブ、ジンジャーなどがいいですね。香りの力でリフレッシュもできます。オールマイティなのは、ラベンダー。冷えている体はきちんと温め、ほてっている体はほどよく冷ましてくれるので、冷え症の人も、ほてりがちな人も、季節を問わず使えます。

長田 それなら、初心者はラベンダーを持っていれば安心ですね。

金井 お風呂に入れるだけでなく、ボディオイルとして肌に塗ってもいいんですよ。そのときは必ず、ホホバオイルやマカダミアナッツオイルなどのキャリアオイルで希釈し(薄め)ます。精油やキャリアオイルは、品質のいいものを十分注意して選んでくださいね。体の不調の多くは、冷えからきています。冷えは、足首と首すじを守ることでかなり防げますから「体がだるいな」と思ったら、この2か所に温める働きを持つ精油を使うのも、不調の予防になりますよ。

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自身が作るお菓子にも、ハーブを取り入れている長田さん。スキンケアやヘアケア、コスメ類も、ハーブ由来のものを愛用している。

 

漢方精油は体のバランスを整えるのが得意

金井 長田さんはこのところ、漢方精油を使っているのよね。

長田 はい。やはりパワーがあるなと実感しています。香りの癒し効果は、アロマオイルとは、また少し別ものですけれど。

金井 アロマの精油は、ハーブが原料。主に葉や花の部分が使われていますが、漢方精油は茎や根。植物が持つ力の強さが違います。体の深いところに、ストレートに届くようなイメージでしょうか。

長田 毎日のお風呂に数滴入れているだけですが、大きく体調をくずすことがなくなりました。渋い漢方薬を煎じて飲むよりはずっと手軽だし、もう手放せないです。

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目的別にブレンドされた漢方精油。疲れをやわらげるもの、美肌の手助けをしてくれるものなど症状に合わせて選べるのが魅力。

 

フレッシュハーブの新鮮な香りもおすすめ

金井 精油も手軽でいいけれど、フレッシュハーブのすばらしさも、ぜひ知ってほしいですね。

長田 どのように使うといいですか? 部屋に置くだけでも?

金井 そう。ローズマリーなどは、ただ部屋に置くだけでも空気を浄化してくれるし、何よりも香りによって心を支え、体の治癒力を上げてくれます。先ほど、冷えは多くの不調の原因と言いましたが、ストレスを抱えるだけでも人間の体は冷えてしまうんです。だから、自分のいる空間を心地よく保つことはとても大切。お風呂に精油を入れるかわりに、フレッシュハーブをそのまま入れるのも、贅沢でいいものですよ。精油はハーブから抽出されたもの、フレッシュハーブはハーブ丸ごとですから。

長田 料理に使うハーブでいいのですか? たとえば、スーパーマーケットで売られているような。

金井 もちろんです。オーガニックのものだと、より安心ですね。ハーブは栽培も簡単だから、自分で育てるのも楽しいですよ。ハーブも漢方精油もすぐに変化があるわけではないので、気長に、無理のない範囲で毎日取り入れれば、徐々に不調が楽になっていることに気づくと思います。

 

A.アロマオイルはすぐに変化があるわけではないので毎日続けることが大事。

 

“ パウダーにミントオイルを1滴 ”

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汗ばんだときは、ミントの精油を1滴落とした無香料のパウダーを軽くはたいて。肌がサラリとし、スッとさわやかな香りで汗のにおいも気にならない。


“ 首の下あたりにつけてリフレッシュ ”

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疲れや冷えを感じたら、体を温める働きのある精油をキャリアオイルに落としたものを塗るのがおすすめ。下を向き、ポコンと骨が出っぱるあたりにすり込む。

 

『ナチュリラ』vol.34より
photo:宮濱祐美子 text:福山雅美

Profile

金井啓子

「ハーブリープ」代表。アロマの症状別調香をはじめ、スキンケアや体調の悩みなどのアドバイス、自然派化粧品の販売などを行う。
https://www.aroma-herb.com

長田佳子

お菓子研究家。"心と体を癒すお菓子"をテーマに、「フードレメディ」として、雑誌やイベントなど多岐にわたり活動している。
http://foodremedies.info

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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