飛田和緒さん【前編】「20年以上使って改めて、ごくごく普通の道具が頼りになることを実感しています」

大人の暮らしで見直したもの
2017.11.20

日々の暮らしは、「もの」に支えられ、彩られ、形づくられています。暮らしと太くつながっているからこそ、大切な「もの」は、年齢や生活習慣の変化とともに、更新されていくはず。大人になった「今」だからこそ、しっくりきているものはなんですか? 憧れの先輩に聞きました。

text:鈴木麻子 photo:大森忠明

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マカロニサラダ、なすびの甘辛煮、ピーマンのきんぴら……。ベストセラーとなった飛田和緒さんの著書『常備菜』(小社刊)には、手早くでき、ごくごく家庭的なレシピが並びます。使う材料は少なく、調味料も家庭にあるものばかり。凝った料理は一つもありません。

“まっすぐでおいしい”。これこそが、飛田和緒さんのつくる料理の真骨頂。口に入れた時に、ぞくっと驚きが来るものではなく、ほっとくつろいだ気持ちになれるような、そんなレシピを提案し、世の主婦たちから絶大なる信頼を得ています。日々の食卓に、驚きはいらない。しみじみと味わえる“まっすぐなおいしさ”が大切で、飛田さんがつくりたいのは、そういう家族の日常に寄り添った料理です。

読者の暮らしの近くにあるレシピを提案している飛田さん。使う道具も、ごくごく普通のものがほとんど。「お気に入りは?」の問いかけに、出してくれたのは昔ながらのアルミの大鍋でした。

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底にベコッとへこみのある、年季ものの大きなアルミ鍋を手に持って、「やっと日の目を見たー」と笑います。料理道具の取材を受けるたびにおすすめしてきましたが、あまりにも家庭的、昭和的な佇まいのせいか、なかなか取り上げてもらえなかったというひと品です。

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おでん、肉じゃが、そうめんと、飛田家の食卓をどっしりと(物理的には軽々と)20年に渡り、支えてきました。熱伝導率が高く、お湯を沸かして何かをさっとゆでたい時にはこれが一番。軽くて扱いが楽だから、ついつい手が伸びるのです。

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そして、もうひとつ愛用しているのが、アルミ製のヤットコ鍋。こちらも同じく、軽くてすぐ火が通るのはもちろん、重ねて収納できるし、ガス台に2~3個並べても持ち手がないぶん邪魔にならないしと、いいこと尽くめ。ヤットコ(鍋をつかむためのペンチのような道具)使いも慣れてしまえば楽ちんです。いろいろな道具を試してきましたが、飾らない家庭料理をつくる飛田さんが頼りにするのは、昔から日本の台所で使われてきた定番鍋なのでした。


→後編へ続きます
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Profile

飛田和緒

Hida Kazuwo

毎日、無理なく続けられる、つくりやすい食材を使った料理を提案する。現在は、神奈川県の海辺の町で夫と、中学生の娘と3人暮らし。『常備菜』(主婦と生活社)、『私の保存食手帖』(扶桑社)、『くりかし料理』(地球丸)など著書多数。

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