「今日は、もうや~めた」 スタイリスト・伊藤まさこさん Vol.2

暮らしのおへそ
2016.03.09

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「今日は、もうや~めた」Vol.1はこちらから

伊藤さんの一日はとても合理的。「できる」「できない」を明確にし、続けられる方法を考えます。たとえば掃除なら、「私、汚れた雑巾が部屋の中にあるのがどうしても耐えられない」のだとか。だったら、と考えたのが、Tシャツやタオルをカットして、キッチンの油汚れから、窓の桟などを拭いては使い捨てにする、という作戦に。拭いて、洗って、干して、という手間がないのでラクチン! だからこそ、こんなにも忙しいのに、伊藤さん宅は隅々までピカピカなのです。

 そうやって考えた合理的な暮らし方は、とことんわがままな「まさこスタイル」です。「小さなバッグででかけたいから、小銭は持ち歩かない」だったり、「美容院で髪の毛を切ってもらっている間に、洗車してもらって一石二鳥を狙う」だったり……。他の人にあてはまらなくても、自分にとってよければそれでOK。そうやって、日々を心地よく組み立ててきました。

 もうひとつ、伊藤さんの得意技が、「誰かに力を借りる」という方法。

「洋服を選んだり、おいしいワインを選んだり。そんなときは、私よりずっと目利きなプロに任すほうが確かだから、お願いするんです。仕事も、カメラマンやデザイナーさんなど、信頼するスタッフなら、ほとんど口出しすることはありませんね」。

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ワインは、福島県で自然はワインを取り扱っている「オネストテロワール」のオーナーに頼んで、24本を自由にセレクトしてもらって、届けてもらうそう。

 誰かに何かをお願いするときは、相手を信じて丸ごと託します。自分のスタイルをきちんと持つ伊藤さんなのに、選んでもらったものは、洋服でもワインでも素直に受け取るときいて驚きました。でも、それほどまでに信じてもらえた人は、きっと伊藤さんのために、ありったけの想いで応えてくれるはず。そこには、人との出会いを大切にする、伊藤さんの人間力がありました。だからこそ、「自分ができること」を超えて、伊藤さんの世界は、どんどん大きく広がっているのかもしれません。

「できないこと」を「できない」と手放し、「できること」を自分仕様に組み立てる。伊藤さんのおへそは、すがすがしい潔さに満ちていました。

 『暮らしのおへそ Vol.20』より text:一田憲子 photo:在本彌生

 

伊藤まさこさんの「コスメのはなし【前編】」はこちらから

伊藤まさこさんの「コスメのはなし【後編】」はこちらから

Profile

伊藤まさこ

Ito Masako

文化服装学院でデザインと服作りを学んだ後、料理や雑貨などテーブルまわりのもののスタイリストとして活躍。センスのよいもの選びや暮らしぶりに関する著書も多数。現在雑『AERA』で「おいしい時間をあの人と」を連載中。著書に『あした、金沢へ行く』(宝島社)、『白いもの』(マガジンハウス)ほか多数。

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