内田彩仍さんの部屋のしつらえの話「季節ごとはささやかに」

「いとおしむ暮らし」特集
2018.11.08

先月発売された新刊『いとおしむ暮らし』が大好評の内田彩仍さん。すでに読んでいただいたみなさんから続々とお便りが届いており「歳を重ねたからこその悩みや考え方に共感!」「内田さんのように捉えれば、気持ちも明るく過ごせそう」「なんだか元気が出ました!」……そんなアツイ思いを丁寧に書いてくださる方々がとても多いことに、編集部も驚いています(みなさま、ありがとうございますー)。そこで今週は、この『いとおしむ暮らし』の中から反響があった5つのお話を、5日間に渡ってご紹介しますね。4日目の今日は、季節に合わせた部屋のしつらいについて。今年、クリスマスディスプレイを考える際の、参考にしてみてくださいね。

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時間をかけずにしつらえて、手間なくしまうことができる。普段の暮らしには、そんな季節の取り入れ方が、大人らしく感じます。年中行事はもともと、季節の移り変わりを感じたり、穀物の豊穣を祈ったりするために生まれたもの。だから、日々の暮らしの一部になるようなことが、ちょうどいいと思うのです。

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クリスマスは、玄関のニッチにごく小さなツリーとリースを飾りました。「平和」という花言葉のオリーブで作った小さなリースの中に、スッとしたワイヤー製のツリーを立てて、さりげなく。

桃の節句やお月見、クリスマス……。季節の変わり目を感じる行事は、いつも心が躍ります。以前はその時季に合わせ、部屋全体がその雰囲気になるよう、しつらえました。ただ、長い間きれいにしておこうとすると、手間と時間がかかりますし、あと片づけもひと仕事です。特に年末は、ただでさえ慌ただしい時に、クリスマスの片づけと年始の支度が同時にやってきます。飾り過ぎると、すべて片づけるのに何時間もかかってしまい、夜更かしすることもありました(笑)。

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菊を飾り長寿を願うことから、菊の節句とも言われる重陽の節句。この時季になると、花店にいろいろな種類の菊が出まわるから、インテリアに合うものを買い求め、普段花を飾るのと同じようにリビングボードに生けました。

最近は、季節のしつらえは、簡素なほうが格好いいと思うようになりました。いつもの暮らしに、ささやかにどこか一か所だけ。そのくらいの楽しみ方が、今はちょうどよく感じます。飾る場所がいつも決まっているわけではなく、リビングだったり玄関だったり。その歳時にふさわしい場所を、わが家のあちらこちらを眺めながら、そのつど支度するのです。用意するものや飾りつけも、好きな佇まいになるよう、自然と吟味するようになりました。

また、大げさにしない分、以前は深く知らなかった季節の行事も、取り入れられるようになりました。歳時や昔からのならわしが書かれている本を眺めながら、「今日はこの日」と静かに思う。それを自分なりにしつらえ、落ち着いて、心豊かに、季節の行事を楽しもうと思います。

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七夕の短冊の色ひとつひとつに、意味があるそう。短冊を吊るすのは照れるので、それに見立てた砂糖菓子を飾り、白い和紙にひとつだけ願いごとを書いて、折り鶴にして運んでもらいます。

photo:大森今日子

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Profile

内田彩仍

Ayano Uchida

福岡県に夫と愛猫クリムと暮らす。丁寧な暮らしぶり、センスある着こなしが雑誌などで人気を集める。著書に『季節の暮らしと服支度』『いとおしむ暮らし』(ともに主婦と生活社)などがある。

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