「残さない」「増やさない」 Vol.3 エッセイスト・平松洋子さん

暮らしのおへそ
2018.12.19

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5月には友人に誘われて釧路に行き、釧路湿原国立公園の雄大な景色を眺めながら、馬に乗って広大な大地を颯爽と駆け抜けてきたそうです。
「もともと馬は好きで、とはいえ外馬(馬に乗って自然の中を駆け抜ける乗馬スタイル)専門。でも、これを機に、乗馬を習いはじめたんです」

 学生の頃、水泳部だった平松さん。40代の始め頃まで水泳をずっと続けていましたが、ある時、以前と同じ距離、同じ時間を泳いでいるのに、疲れすぎて仕事にならないと感じるようになったとか。そして、馬に乗ったとき『これだ!』とピンときたそうです。

「以前と同じことをしているのに、少ししんどいな、なんだか重いな……。そんな違和感を感じたら、それはきっと変えどきのサイン。自分の体は変わっていくもの。仕事や暮らしの状況も変化していくので、自分の快適さも当然変わっていきます。その変化を早め早めに察知して、対応していくことが大事かなと思うんです。何か『ん?』と感じたとき、その違和感を見逃さず、頭の中に何となくおいていく。急がず、それでも何度か同じように感じたら、その直感というのは、今の状況を物語っているもの。自分の直感を信じて、思い切って変える勇気は持ったほうがいい。そうして見えてくることがきっとあると思います」

 続けていたことをやめたり、何かを変えたりすることは、とても勇気がいることです。でも変わることは自然で当たり前。生きるということは変わっていくということ。平松さんのお話を聞いていて、改めてそう感じました。

 

 

「残さない」は、その都度「食べきる」ということ

<残さないおへそ①>

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ご飯は1合で炊き
炊きたてを食べきる

3合炊きの土鍋を長年愛用していた平松さん。5年ほど前から1合炊きにシフトしたのは、ご飯が余ったとき、ラップをかけて冷蔵庫に保存しておくと、早く食べなくてはと始末に追われている気分になるからだそう。「1合でもふっくら、むっちりとしたおいしいご飯が炊けるので、ふたりで炊きたてを食べきります」

 

 

<残さないおへそ②>

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残りそうな卵は塩卵にする

卵が何個か残りそうだなと思ったときに作るのが塩卵。好みの硬さにゆでた卵を塩水に入れるだけ。卵2個に対して水1カップに小さじ1の塩が平松さんの味。「ひと晩でぐっと塩味が入りますが、つけすぎてもそれはそれ。麺にのせてもサラダに添えても。塩味だけなので、使い道に広がりがあるんです」

 

text:和田紀子 photo:日置武晴

Profile

平松洋子

Hiramatu Yoko

エッセイスト。岡山県倉敷市生まれ。東京女子大学文理学部社会学科卒業。食文化と暮らしをテーマに執筆活動を行う。『買えない味』で第16回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞、『野蛮な読書』で第28回講談社エッセイ賞受賞。著書多数。近著は『肉まんを新大阪で』(文春文庫)。

 

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