石黒智子さん vol.3「60代からは自分が主役。食卓を楽しむ手間を惜しまずに」

大人暮らし これからの食卓
2019.06.19

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もっと暮らしをラクに快適に。そのために工夫と探求を積み重ね、1年前より今、今日より明日と進化を続けている石黒さん。更新は、道具だけにあらず。暮らし方も10年前とはずいぶんと変わりました。

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「夕飯の支度は、今は基本的に夫の担当です。義母の介護をしていた頃、義母のごはん作りは夫がしていたのですが、その時にせっかく覚えた料理を、やめたらきっと忘れてしまうからと、そのまま続けることになったんです」

“料理を作る”と“食材の調達”はセット。日々の買い物も、夫の担当に。

「70歳になった夫は仕事も落ち着いた。逆に私は60代になって、執筆、商品開発、商品評価とオファーが増えて忙しくなりました」

主婦だからと全部の家事を抱えていると、自分のことは何もできなくなってしまいます。時間に余裕があるほうがすれば、暮らしはスムーズ。家事の合理化、分担制。暮らし名人の石黒さんらしい進化です。

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そして、最後に石黒さんが、同世代やこれからその世代になる方々に提案したいことがある、といって話してくれたのは、こんなメッセージでした。

「子育て、仕事、介護などが一段落するであろう60代。これからは、暮らしを〝営む〞から〝楽しむ〞にしませんか? たとえば、今までしまい込んでいた、いただきものの高価な食器を普段使いするとか。子育てや介護に無我夢中の時は、そんな余裕がないのはわかります。でも今ならできる。わが家でいうと、それは『ロイヤルコペンハーゲン』のカップ&ソーサーだったのですが、いい器で飲むとコーヒーもやっぱりおいしいのよね。私たちの世代は、結婚祝いだなんだと、結構いい食器をいただいているものですし」

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朝食のシーンでもそう。食卓にプレイスマットを1枚敷くだけで、ひとりひとりの場所が定まり、きちんと整えた感が生まれます。ホテルの朝食をイメージして、フォークとナイフはカトラリーレストにセット。ゆで卵はエッグカップにちょこんと立てて、スプーンを添えます。

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また、以前は食卓まわりにティッシュボックスを置いていましたが、手拭き用にはスタンドに立てたペーパーナプキンを用意。毎朝、庭やベランダに咲く季節の花を摘んで、小さく食卓に飾るだけで安らぎが生まれるし、キャンドルを灯せばくつろいだ気持ちになります。

いろいろな役割が落ち着きつつある今、暮らしの主役は自分自身。生活の中で「あら、素敵」と思えることを増やし、毎日を活性化したら、きっとこれからの人生が愛おしいものになるに違いありません。

「“これから”の暮らしと食卓」より
photo:杉能信介 text:鈴木麻子

 

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Profile

石黒智子

Tomoko Ishiguro

エッセイスト。日々の道具選び、収納、家事のアイデアなど、暮らしにまつわる情報を独自の視点で発信。「亀の子スポンジ」など、道具のプロデュースにも携わる。近著に『60代 シンプル・シックな暮らし方』(SBクリエイティブ)など。いしぐろ・ともこ 日々の道具選び、収納、家事のアイデアなど、暮らしにまつわる情報を独自の視点で発信。「亀の子スポンジ」など、道具のプロデュースにも携わる。近著に『60代 シンプル・シックな暮らし方』(SBクリエイティブ)など。

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