イーオクト代表 高橋百合子さん 60歳をすぎてから見つけた「おへそ」Vol.2

暮らしのおへそ
2016.06.08

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4年前のオリンピックを見てから人生が変わりました。何かに気づき、自分を変えるのは何歳になってもできることだと思います。

4年前の夏、世間はロンドンオリンピックに湧いていました。水泳では、北島康介選手を中心にした団体で金メダルを受賞。

「テレビを見ながら、ものすごく感動しました。でも同時に、はたと気づいたんです。これって、ただ“もらい感動”しているだけだなあと。人の感動のおすそ分けをもらっている場合じゃない。私は私の金メダルを取りに行かなくちゃって」。

 そして、「私の金メダルはなんだろう?」 と辺りを見渡して、再発見したのが、目の前にある仕事でした。

「今、私はこんないい仕事をしているじゃない!と嬉しくなっちゃって。その日から、人生が驚くほど新鮮に回転しはじめました。

 そして今、高橋さんはこう語ります。

「ぼんやり生きてしまっている人って、案外多い気がするんです。ただ毎日が過ぎていくだけ……。でも、『これだ』という本質を見出したとき、人生はとたんに楽しくなります。いくら遅くなってもいい。私だって自分の軸=「おへそ」を見つけられたのは、60歳を過ぎてからなんですから」

 

 キャリアを積めば積むほど、「これでいい」と安定を求め、自信という名の鎧を着て、心も身体も硬く固まりがちです。なのに、新たな扉を開けるワクワク感を失わず、軽やかに古い自分を脱ぎ捨てる……。そんな高橋さんの潔さとしなやかさの上に、金メダルが輝いているようでした。

『暮らしのおへそVol.21』より text:一田憲子 photo:中川正子

 

 

エコンフォート
http://www.ecomfort.jp

高橋さんの会社が運営するECサイト。サスティナブルで心地よい商品を世界中のマーケットから集めて紹介、販売している。

Profile

高橋百合子

Takahashi Yuriko

「イーオクト」代表取締役。新聞社勤務を経て1987年に会社を設立し、広告制作や展示会のプロデュースなど幅広い業務を手がける。スウェーデンのゴミの圧縮機器に感動し輸入販売を開始。今は、環境に配慮されたサスティナブルな社会づくりを目指し事業を展開。ご主人は建築家のエドワード鈴木氏。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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