顔も体もキッチンも、石けんひとつあればいいVol.2 「サボン デ シエスタ」主宰 附柴彩子さん

暮らしのおへそ
2016.06.22

 

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「石鹸を販売するには、化粧品製造業の許可を得ないといけない」と冷静に判断したのがすごいところ。大学院に戻り、卒業後は製薬会社に入って薬事法など法律の勉強をしました。退社後、石鹸を作りながらオンラインショップを立ち上げ、ショップもオープン。今の場所に工房とショップを兼ねた「シェスタラボ」がオープンしたのは、昨年のことです。

 4娘の里沙ちゃんのお母さんでもある附柴さん。

「出産の前日の夜11時まで働いて、出産後もすぐに働き始めました。子育と仕事との両立で、当時の記憶はあんまりないんです」と笑います。

 保育園のお迎え時間ギリギリまで仕事をすると、帰宅が遅くなり、外食して帰ることもしょっちゅう。「これではいけない」と、生活のリズムを変えるために、選んだのが店の近くに引っ越すという方法でした。同時に朝は4時に起床。出社して少し早めの5時半には退社。夕食の準備に取り掛かります。

「夕食後寝るまでは、スマートフォンにも触らず、子供と過ごす時間に集中します。仕事のことを考えていると、娘にもそれが伝わる気がするんですよね。娘の話は一生懸命聞きますよ」

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 そんな附柴さんの自宅の机の前に「理想の暮らし」と名付けられた1枚の紙が貼ってありました。時折「こうだったらいいな」という1日のスケジュールを書き出してみるそうです。

「思いを実際に文字にして、自分の中に改めて落とし込むというプロセスが、私にはあっているのかもしれません」

と語ります。

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 理想を抱いても、「実現するなんてきっと無理」とあきらめたり、日々の雑事の中でどんどん風化したり。それを食い止める方法が、「今」を分析し、できることを探し出すという暮らしの中の「実験」でした。仮説の通りにはいかなくても、たったひとつ「できること」があれば、今日より明日がちょっとだけよくなるはず。実験の目的は、理想すべてを叶えることではなく、できないことの中から、確かにできることを拾い上げること。

「シェスタラボ」の工房では、春先に向けてエルダーフラワーを使った実験が始まっていました。季節の植物の力を秘めた石けんのように、身の回りの化学反応から附柴さん家族の小さな幸せが生まれているようでした。

『暮らしのおへそ』Vol.21より text:一田憲子 photo: 枦木功

シエスタラボ

Profile

附柴彩子

Tsukeshiba Ayako

千葉県生まれ、茨城県育ち。北海道大学大学院理学研究科修了。製薬会社勤務を経て、2005年肌に優しい、シンプルな石鹸「サボン デ シェスタ」を立ち上げ、ウェブ販売をスタート。2009年、実店舗「シエスタラボ」を開店し、一昨年、工房が併設された新店舗に移転。

 

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