和歌山のものづくりを集めた企画展、始まります!

【金曜更新】おでかけ&お買いもの情報
2017.07.07

みなさま、ご無沙汰しています。東京・石神井にある雑貨店「copse(コプス)」の小森知佳です。去年の7月はちょうど、連載「今日のひとしな」を担当させていただき、1か月の原稿を書いて写真を撮る日々に四苦八苦していたことが懐かしく思い出されます。

今回は、7月13日(木)からはじまる企画展「はるかなる紀伊國~和歌山のものづくり」をご紹介させていただきます。

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和歌山ってどこ?? という方も多いと思いますが、紀伊半島の西側、深い山と美しい海に囲まれた愛すべき我がふるさとです。

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なかでも、三千六百峰といわれる山々に囲まれた熊野は、古来より神が宿る信仰の地として知られ、険しい山と谷に阻まれ大きく姿を変えることなく今に至ります。“陸の孤島”と呼ばれ、なにもないと思っていたこの地に、わざわざ移り住み、ものづくりを行うひとが増えていることを知りました。

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最初の出会いは陶芸家の中本純也さんでした。ある陶芸家から「和歌山に素晴らしい作家がいますよ」とご紹介いただいたのがきっかけ。尋ねたのは、田辺市龍神村の山腹。見晴らしのよい高台に、みずからの手で住まいや工房、薪窯をつくりあげ、山々に囲まれた庭には菜園が広がる、その暮らしぶりにまず圧倒されました。

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なにより「日常の道具」をコンセプトに地元の杉材で焼き上げる白磁は、シンプルながら一つ一つ表情が異なり、あたたかみと存在感をたたえています。

灯台下暗し。旧知の土地にこんな作家さんがいたとは! と衝撃を受けたのでした。その後、どんどん出会いの輪が広がり、織りや木工、皮革、洋服などさまざまなものづくりの方と巡り会い、この夏、2つのメーカーと7名のつくり手の方にご参加いただく企画展を「copse」で開催することになりました。

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龍神村で木工作品を手がける「G.WORKS」は、山深い土地柄、雨が多く寒暖の差が激しい環境が育てる地元産のすぐれた杉を使った家具や小物を制作しています。この「KOSHIISU」は、背もたれに厚みを持たせ、やわらかな杉が腰の部分をやさしく包み込むようデザインされたもの。

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「studio ayumq(スタジオアユンク)」の菅野あゆみさんは、大学卒業後、住処を探す旅の末に龍神村にたどり着いたというツワモノ。畑に蒔いた和綿の種からワタが弾けたときの美しさに魅了され手紡ぎ、手織りのものづくりをスタートさせました。ストールやコースターなど、山深い村に吹く風のごとく心地よい、手紡ぎの風合いにぜひ触れてみてくださいね。

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国産の藍、日本酒、石灰、灰汁を用いた伝統的な発酵建ての藍染めを行う「ニワカヤマ工場」。藍染めした糸を、和歌山市「和田メリヤス」の国内希少な吊り編み機で織り上げたボーダーのカットソーをはじめ、藍染めの新たな魅力に出会えるアイテムばかりです。

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皮革でつくるブローチが人気の「ROCA」。「Ancient Birds」という鳥型ブローチのほか、南方熊楠へのオマージュを込めた菌類ブローチをラインナップ。革のブローチはつけ心地も軽く、洋服ともさりげなく調和。ボックスのデザインも素敵で、お土産におすすめです。

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漆の5大産地のひとつとして栄えた海南市で、1830年創業の歴史を誇る「角田清兵衛商店」。紀州塗のメーカーとして繁栄を極めるものの戦後、国内産の漆の生産が低迷したため、紀州檜のくりぬき弁当を開発。ひのきをくりぬいた木目の美しさが際立つ弁当箱は、1日10個程度しかつくることができない知る人ぞ知る逸品!

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「jiji」はオリジナルの服やバッグを手がけるブランド。シンプルながら素材にこだわった洋服はリピーターも多く、洗練を極めます。色数を抑えたラインナップは、大人のデイリーウエアーとして取り入れたいものばかり。美しいビーチとパンダで知られる白浜町にあるアトリエ兼ショップは、「木星社」の靴下や「ベイラー」のバッグなどセレクトも抜群です。

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7/14、15には、紀州産の棕櫚(シュロ)で小さなほうきをつくるワークショップも開催しますよ。ご予約、お問い合わせは03-6913-1544 / info@copse.biz まで。

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また今回の展示は、8月に和歌山県田辺市に巡回します。出張展示ならぬ里帰り展示! 会場は、最寄り駅からバスで1時間の熊野古道のそばに佇む古民家カフェ「田舎ごはんとカフェ 朴」です。

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関西や首都圏からも夏休みついでにお越しいただきたいのはもちろん、なにもない……と思っている地元の方にも、素晴らしいものづくりの方が身近にいることを知っていただく機会になればと思います。

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近くには、カッパ伝説の残る清流もあり、桃源郷のような集落を訪れるだけで心が洗われます。、東京ではワークショップ、和歌山では作り手によるお話会やマルシェも開催!夏休みの予定が決まっている方もそうでない方もぜひ今夏は、心のふるさと和歌山に、その前に「copse」へ、お越しくださいね。

風景写真撮影:こうのさちこ

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東京都練馬区石神井台3-24-39 ロイヤルコトブキ1F
TEL:03-6913-1544
営業時間:11:30~17:30
http://www.copse.biz/

 

企画展「はるかなる紀伊國〜和歌山のものづくり」
7月13日(木)~22日(土)*会期中無休

 

●ワークショップ「紀州産の棕櫚(シュロ)で小さなほうきづくり」
講師:高田大輔(高田耕造商店)
参加費:3200円+tax 
7月14日(金)、15日(土)
11:00~/13:00/15:00

 

●イベント「和歌山のおいしいもの市」
7月15日(土)は、和歌山から届いたフードやドリンクを販売。
田舎ごはんとカフェ 朴(天然酵母パン)、ナギサビール(地ビール)、シンドラー・デリカテッセン(生ハム、ソーセージ)、どれみふぁーむ温川(トマト)、カワハラ畑と田んぼ(古来種野菜)

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巡回展

「田舎ごはんとカフェ 朴」
和歌山県田辺市中辺路町近露203
TEL:0739-65-0694
営業時間:11:00~16:00
https://www.facebook.com/cafebocu/

 

「はるかなる紀伊國〜和歌山のものづくり」
8月2日(水)~12日(土)*6~8日は店休日

 

●イベント「Eat&Talk」
8月11日(祝・金)
10:00~16:00 おいしいもんマルシェ、
14:00~ つくり手によるお話会

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