自分の本当の状態に気付く呼吸レッスン vol.3

からだ修行
2018.11.21

今月の先生:アマミヤアンナさん(呼吸ラボラトリー)

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レッスンを修了し、すっきりとした気持ちよさに包まれたメンバー。会場となっている「VACANT」に併設されているカフェで、ベジランチをいただくことに。

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定番のランチは、グレイン(穀類)ボウルとスープのセットで、レンズ豆やひまわりの種、水切りヨーグルトなどを盛り合わせた「ミドル・イースタン(中東)」、ココナッツジャスミンライスにビーツやフライドオニオンが載った「オリエンタル」、丸麦、黒米、きのこのマリネやひじきに黒ごまドレッシングの「ジャパニーズ」の3種類。肉・魚を使わないのにボリュームもたっぷりで、満足度の高いメニューです。「呼吸法の練習がしやすいよう、朝ごはんは控えめに」と言われてレッスンに臨んでいたメンバーの胃袋を、やさしくおだやかに満たしてくれました。

ランチを終えて一服したあと、そもそもアマミヤさんが、呼吸に興味を持つようになったきっかけを尋ねました。

「私の呼吸法の師匠である、加藤俊朗先生の呼吸レッスンを初めて受けたのが2012年のこと。最初に参加したときは、なんだかよくわからいうちに終わってしまったのですが、やることはシンプルだし、とにかく気持ちがよかったんです。すごく解放されたような気分を味わって」

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当時のアマミヤさんは主婦と生活社を退職し、リトルプレス『マーマーマガジン』を発刊する文筆家・服部みれいさんの事務所に入社して、1年が過ぎた頃。雑誌の編集作業から物販の発送作業、イベントのまとめ役など、何から何まで掛け持ちしてすすめていました。さらには、季節の食材を使ってランチを作ったり、会社に先生を招いてみんなでヨガや呼吸レッスンを体験したり。身体への興味は深まるばかり……という環境だったそう。

そんな中、現れた加藤先生は、心身ともに「地に足がついている」存在。何に対しても、誰に対しても姿勢がぶれることなく、それでいてすごくリラックスしている。すごく厳しいけど、チャーミングで愛情深い。もともと「修行好き」な性格というアマミヤさん。常に「もっと頑張らなきゃ」「もっと上を目指さなきゃ」と前のめりだった彼女にとって、上っても上っても、常に見上げる存在である加藤先生は、「この方こそは!」と確信できる稀有な師匠だった様子です。やがて呼吸の専門家を養成する「リーダークラス」が開設されると知り、1期生として受講することに。

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「受講しようと決心したのは、この先何をするにせよ、身体を整えることが先だなと思ったからです。当時の私は、がんばってもがんばっても、いつもどこか自信がもてなくて。けれども呼吸法を実践したあとは、心も身体もどっしりとして、何でもできるような気持ちになる。いつもその状態の自分でいたい、そんな自分でいられたら、仕事なんて何でもいいし、どういうふうにでも生きていけるんじゃないかって思えたんです」

「自分は編集やライターとして、頑張らなきゃいけないんだ!」と思い込んでいた時期。けれども横にいる服部みれいさんは、編集者としても書き手としても、「とてもかなわない……!」と仰ぎ見る、傑出した才能の持ち主。知らず知らずのうちに能力を比べたり、いいところを見せようと失敗したりして、落ち込むことも多く、「どうにかしたい!」というあせりもあったようです。

けれども呼吸を続けていくうちに、自分を大きくも小さくも見せる必要もなく、そのままの自分を受け入れ、許せるようになっていくとともに、「失敗してもいい」「何があっても大丈夫」と、思えるようになっていったといいます。「修行好き」な気質から始めた呼吸でしたが、続けるうちに心も身体もゆるみ、「頑張りグセ」も手放せるようになっていったという面白い現象も!

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「頑張らなきゃいけない、ラクをしちゃいけないと思い込んでいたんだけど、最近になって『自分は本当に修行したいのかなあ?』と、ふと立ち止まって。修行ってしんどいし(笑)。それよりも、楽しいことやワクワクを原動力にするほうが気分はあがるし、スムーズに事が運ぶなあと気づいたんです」

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そんなアマミヤさん、現在も身体への興味は深まるばかりで、現在も整体のスクールに通ったり、オステオパシーや導引など、さまざまな療法について、幅広く勉強を続けているそう。また、尊敬するセラピストや共感の高い施術者とのコラボレッスンにも力を入れていて、定期的に開催しているのだとか。

「自分の身体と心を見つめる手段は、何であってもかまわないと思っています。整体を通じて変化を感じる人もいれば、以前コラボレッスンを開催したインナーチャイルドケア(インナーチャイルドは潜在意識の中にある「内なる子ども」。子ども時代に負った心の傷を癒し、本来の自分を取り戻す療法)が必要な人もいる。ただ、いのちのベースには絶対『呼吸』がある。一説によると、人は一日に3万回も呼吸しているそうですよ。呼吸が変われば、身体も心も変わらないはずがないと確信しています」

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会社員時代を知る元同僚からは「雰囲気が全然変わった」「女性らしくやわらかく、きれいになった!」と絶賛されるアマミヤさん。何だかその姿を見ると、彼女たちの言葉にも妙に納得です。どっしりとした自信も生まれ、重ねばき用の手編みソックス「amine」を主宰したり、フリーの編集者として、今年も『マーマーマガジン』から生まれた日めくりカレンダー の制作を担当したり。その活動もしなやかに、広がりを見せています。

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そして後日談。レッスンをきっかけに田中も、日々の呼吸で「丹田から吐くこと」をできるだけ意識するようになりました。すると驚くべき変化が!

長時間のハードな撮影があっても、夕方まで疲れない。仕事でクタクタに疲れた日も、寝る前に丹田の呼吸を行えば、翌朝の目覚めがすっきり。そして驚くべきは、心の変化。以前だったらかなり落ち込みそうな事件に遭遇しても、「実は大したことがないのかも」「まあいっか」と、気持ちの切り替えがスムーズに。

レッスンのあと、呼吸法を「拭き掃除」に例えましたが、猛然と掃除がしたくなり、特に家の中じゅう、拭き掃除をしたくなったのです。さらには溜まっていた仕事の書類やノートを大量に処分。この原稿を書いているさなかも、年末に向けての断捨離がやりたくてやりたくて、仕方なくなりました。

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そんな呼吸法ですが、vol.2で砂原さんが言った通り、道具もいらず、お金もかからず、いつでもどこでも行うことができる。これはすごい…! 何だか身近で小さなところから、大きな大きな革命が私の中で起こった心持ちなのです。


photo:砂原 文 text:田中のり子


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Profile

アマミヤアンナ

「呼吸ラボラトリー」「手編み靴下amine」主宰、編集者。いくつかの出版社を経て、2011年秋『マーマーマガジン』編集部へ。2014年春、加藤俊朗さんの「Katoメソッドリーダークラス」を卒業し、講師としてレッスンをスタート。2015年春にフリーランスとなり、さまざまに活動している。現在は、呼吸ラボラトリーによる連続クラス(全3回)と不定期の単発クラスを開催。12月からは、原宿・VACANTでも新しい呼吸クラスもスタートする。
「呼吸ラボラトリー」http://kokyulaboratory.com/
「amine」http://www.amine-teami.com
「VACANT」https://www.vacant.vc/

 

田中のり子

Noriko Tanaka

衣食住、暮らしまわりをテーマに、雑誌のライターや書籍の編集を行う。『ナチュリラ』(主婦と生活社)は創刊当初からのスタッフ。構成・執筆をした『これからの暮らし方2』(エクスナレッジ)が好評発売中。

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