フランス・アンティーク便り vol.1 パリの蚤の市を歩こう

特集 フランス・暮らしの中のアンティーク
2018.08.20

~ 「histoire(イストワール)」青木ともみさん

 

はじめまして。「histoire(イストワール)」の青木ともみです。アンティーク雑貨、ヴィンテージアクセサリーなどを、フランスから直接日本へご紹介しております。人と同じように、古いものにもみんなそれぞれの物語があります。誰かが生活の中で大事に使っていたお皿であったり、どこかのアトリエで使われていた道具であったり、訳あって長い間倉庫で眠っていたり…。使われなくなったものが、次の誰かの手に渡って活躍し、そうしてまた物語は続いていきます。フランスで教わった、生活の中に根付く古いものとの付き合い方はとても素敵です。蚤の市へでかけることは、そんな古いものたちの物語探しでもあります。

 

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パリでは、毎日のように、あちこちで蚤の市が行われています。特に週末にかけての開催が多く、毎週末、決まった場所で市が出るものもあれば、月に1回どこかの広場で、年に2回地区一帯で、という市もあり様々です。古いものを扱う市には、Brocante(ブロカント)、Marché aux puces(蚤の市)というプロの出店が多いもの、ほかにvide-grenier(ヴィッドグルニエ)という一般の方が参加するフリーマーケットのようなものがあります。ヴィンテージファッション、ポストカード、古本など、それぞれのジャンルで開催される室内サロンでは、入場料を払って入るものもあります。

 

それでは、パリの蚤の市をいくつかご案内していきましょう。

 

◇ヴァンブの蚤の市

 

毎週土曜・日曜に開催される大きな蚤の市です。パリの南、Porte de Vanves駅を降りて少し歩くと、すぐに見えてきます。ご存じの方も多い、パリの有名な蚤の市で、旅行者の方々もたくさんお見かけします。出店数も多く、ゆっくり見ていると、端から端まで2時間以上かかります(!)。食器やカトラリー、ガラスもの、手芸用品、紙もの、かご、リネン、などなど。お手頃なものからちょっと値の張るものまで、様々なものが並びます。自分だけのお気に入りが、きっとみつかると思います。

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◇クリニャンクールの蚤の市

 

毎週土曜・日曜・月曜に店が開かれています。パリの北、Porte de Clignancourt駅から10分くらい歩くと、一帯にアンティーク屋さんの並ぶ地区があります。こちらも有名な蚤の市ですが、ヴァンブと違って、通りや広場にテントを張ってテーブルを出して、という市とは違い、たくさんの屋根付きブースがあって、それぞれが店舗のような作りになっています。専門店も多く、高級なアンティークが並ぶエリア、家具などが多いエリア、また手頃な雑貨や紙ものなどの店が多いエリアなど、広すぎてとても一度では全てまわりきれません。素敵なディスプレイも多いので、参考にしながら、のんびり散策もいいものです。

 

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◇パリ3区、区役所前の蚤の市

 

毎年5月と11月の年2回開催されます。今年は、周辺工事の関係で6月末の金曜・土曜・日曜の3日間でした。パリ市内で行われる蚤の市の中では、かなり規模が大きく、なかなかの見応えです。マレ地区の北エリアで、3区の区役所周辺一帯の道路や広場などにたくさんの出店があります。疲れたらカフェでひと休みしたり、近くにあるアンファン・ルージュの常設マルシェ内で気軽にランチ、なんていうのもおすすめです。

 

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◇セーヌ川沿いのブキニスト

ブキニストというのは古本屋さんのことです。セーヌ川沿いの歩道脇で小さな簡易の古本屋が並んで、市のようになっています。観光客や古本好きのおじさんが足を止めては店をのぞき込む、という姿をよく見かけますが、私は昔々から変わらないパリのこの風景が好きです。川沿いのお散歩がてら、ここで古本や古いポストカードなどを見つけたりするのも楽しいです。ずっと欲しかった手芸の本を偶然発見!!なんてことも。

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パリの蚤の市、といってもじつにさまざま。お好みの市はありましたでしょうか? お目当ての市に合わせた旅行計画もいいですね。参考になれば嬉しいです。

 

photo&text:青木ともみ

→Vol.2はこちらから

Profile

青木ともみ

フランス生活十数年。普段づかいのアンティークやヴィンテージをご紹介するため、日本での企画展やイベントなどに参加している。次回は11月、東京でのイベントに出店予定。「histoire(イストワール)

http://histoire7.com

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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