運命のチーズケーキと子育てと Vol.2 チーズ研究家 かのうかおりさん

暮らしのおへそ
2016.08.31

Vol.1はこちらから

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サボワ地方やピレネー地方を中心に、どこでどんなチーズが作られているのかを手作り地図に。
後ろはいつもチーズを取り寄せているチーズ専門店「アルパージュ」の包装紙。

実は今、「カオリーヌ菓子店」は閉店中です。留伽(るか)くんに続いて、
長女礼衣(れい)ちゃん、そして昨年には次女の礼佳(あやか)ちゃんを出産したばかり。

「3人の子育ては想像以上に大変でした。頑張ってもできないこともあるんだ、
と思い知りましたね。とりあえずお店はお休みしようと思ったんです」。

 さらに、一日家事と子育てに追われて、暮らしにリズムがなくなってきたとき、
かのうさんが選んだ方法は、なんと外に働きに出ること!
「定時に出かけて帰って来ることで、逆に生活が規則正しくなりましたね」と笑います。

そして、何があっても、大切にしたいのが、
家族でおいしくご飯を食べることなのだとか。

「うちの両親は、とても厳しかったのですが、
きちんと作ったご飯を家族で食べるという習慣を、
知らず知らずのうちに教えてくれていました。私は今も、
母の作る料理が世界でいちばんおいしいと思います」と語ります。

 ある日のかのう家のご飯は、ミント風味のニンジンの蒸し煮と
ピーナッツオイルを加えてあげたかぼちゃのコロッケ、
フェンネル入りビネガーのドレッシングをかけたサラダなど。
スパイスやオイルなどを組み合わせれば、冷蔵庫にあるもので、
味に変化をつけることができます。

 かのうさんの学びのきっかけは、いつも「知りたい」という純粋な好奇心でした。
そこには「後からコレに役立つから」という目算はなし。
心の底から突き上げる欲求に従って、インプットしたもののは、
自分の血肉として蓄積され、仕事でも、家庭の食卓でも、
自分の「今」に合わせてアウトプットができます。学び、
咀嚼し、蓄積したものは、必ず自分を支える力になる……。
それが、かのうさんの「知性のおへそ」でした。

『暮らしのおへそ』vol.21より text:一田憲子 photo:有賀傑

 

Profile

かのうかおり

Kanou Kaori

チーズ研究家。菓子やフランス料理を長年学ぶ。チーズに興味を持ち、10年間の会社勤務ののち、夫を日本に残して単身渡仏。1年間の滞在中農家での研修から販売までを学び、帰国後はチーズを中心とした勉強会を開催。WEB「カオリーヌ菓子店」では手作りスイーツを販売。(現在休止中)

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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