繭玉をモチーフにした「HARRYS(ハリーズ)」土屋琴さんのガラスのアクセサリー
~in-kyo(インキョ)より vol.24~
「HARRYS」のガラスのアクセサリーに惹かれる理由は何だろう?
ガラスという素材を使い、一見儚くも感じられる美しさ(理化学実験用の器具にも用いられる耐熱ガラスを使用。普通のガラスよりも透明度が高く、強度があります)。作家の土屋琴さんの、チャーミングな人柄というのもある。
けれどその他にも…と考えていたところ、最近「これか」と腑に落ちた。それは、日々の中で自然に触れる機会がこれまでよりもずっと増えたことで、気づいたことだった。
福島・三春に引越をしてもうすぐ半年。その間、少しずつ進む季節の移ろいは、山に花開くしだれ桜に始まり、桜色から黄色、白や紫と目を楽しませてくれる。「山笑う」という言葉があるけれど、きっとあんな様子をいうのだろうな。花が終わると今度は緑がぐんぐんと勢いを増し、木々の生命力を間近で感じる季節へと変化していく。
「あ、この匂い知ってる!」花の香りでもなく、特別な木の匂いでもなく、緑の匂いとでもいうのか。子どもの頃の記憶の中にあった懐かしい自然の香り。しばらく閉じていた嗅覚のフタが、ここへ来てパカーンと開いたような感覚なのだ。大きな葉に残るきらきらと輝く朝露や、ひんやりと澄んだ空気、歌うように鳴く鳥の声などなど、嗅覚だけでなく五感全てが刺激されている。
「HARRYS」のアクセサリーには繭玉をモチーフにしたものや、雨粒のような水の連なりに見える作品がある。ダイヤモンドよりずっと控えめな光は、木々の間からこぼれる陽の光にも似てやさしい。自然の美しさをガラスに代えて身につける喜び。それが今まで惹かれ続けていた理由だったようだ。
*写真の繭玉ネックレスのミニサイズは「in-kyo」オリジナルで制作して頂いたもの。小さく、透明ながら存在感がある。
日々の暮らしの中で、月日をともに積み重ねたくなるような器や生活雑貨が並ぶ店。日常着や、おいしいもののセレクトも人気。「今日のひとしな」のコラム執筆は、店主の長谷川ちえさん。
福島県田村郡三春町9
TEL:0247-61-6650
10:00~17:00 水曜・木曜定休
http://in-kyo.net
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