～「HJ GALLERY」より vol.1 ～

私たちがいる世界は、たくさんの物であふれています。美しいものも、そうでないものも、長く愛せるものも、そうでないものも。その中できちんと選ぶ目を持って、長く長く愛せるものを手元におきたいと思います。

最近は、ただ「よいものだから手元におきたい」のではなく、その品の、その先にある作家さんのお人柄や物の歴史にも触れてみて、「なぜいいのか？」と自分なりに考えることにもとても興味がわいていて。そういうことも含め、‟丸ごと”その品が欲しくなることが多くなったような気がします。

私自身も美しいものが好きですし、良きものには心奪われます。いわゆる物欲というものは際限ないなと感じる時もありますが、でも、一杯のおいしいコーヒーをいれる時に、美しい器でいれるとそこに物語が生まれるような魅力的な世界が広がります。散歩で拾った一輪の花を表情のある花器にそっと一輪活けるだけで、生命が宿る佇まいに。自分の気持ちまでもすっと心地よくなります。そうやって続く日々の中から、その人の生き方が出てくるように感じています。

はじめまして。「HJ GALLERY」の北条満李子と申します。

大学で建築を学び、設計事務所やインテリアショップ等で働いてから４代続く工務店に嫁いだ私が、家を建てるという仕事の中で培ってきた、物を見る目。暮らしという枠組みの中で、様々な作り手と出会い、自分も買ってみて良かったものを「HJ GALLERY」では取り扱っています。

今日から１ヶ月31日間、毎朝７時にその一つ一つの品のお話を皆様にお届けできたらと思っています。いい日もあるし、良くない日だってある。憂鬱で起きることが嫌な時も。そんな日々の中で、朝になるのが楽しみになるようなきっかけとなれば、嬉しい限りです。

柏木千繪さんの器は、一生手元に置いておきたいそんな魅力に溢れた器たちです。「もう千繪さんの器だけでいいかな？」と時々思ったりすることもあるほど。凛とした佇まいと清らかさ、そこに少しぽってりとした厚みがあって、安心感を感じます。千繪さんの器が並んだ食卓はとても美しく、どの時代でもこの美しさはあり続けるだろうと予感させてくれます。

色は真っ白ではなく、緑みがかっていて、シンプルなのに他にはない個性があります。当たり前ですが、ひとつひとつ手作業の工程の中で生まれる品ですので、形も釉薬も若干ですが違っていて、そこもまた魅力の一つです。耐久性にも優れていて、料理にも合わせやすく使いやすい。働き者の器です。

コーヒーカップやティーカップは、いい感じの重量感があって、口をつけた時に触れる感覚も安定感があって安心します。「HJ GALLERY」オリジナルのソーサーにはあえて、溝はつけずに普通にお皿としても使えるように作っていただきました。

この魅力的で愛らしい‟Pompon pot”。お店をはじめる時にティーポットも作ってほしいと千繪さんにお願いしたら、「こんなのはどう？」とスケッチが送られてきて。もう、見た瞬間に好きになりました。上のまん丸の取っ手部分が愛らしい。このポットにティーコゼーが欲しくなり、お付き合いのある「つちや織物所」にオリジナルで作ってもらいました。そうしてできた、豊かなティータイム時間の風景。かけがえのない、宝物のような品々です。

千繪さんの器に対峙すると「質実剛健」という言葉が巡ります。こんな女性でありたいと思うのです。器を見てこんな女性でありたいなんておかしいかもしれませんが、ブレそうになる時に、千繪さんの器を眺め使いながら感じるのは、私がありたい願う、凛とした佇まいの中にたくましくもたおやかさがある、清らかな人。

千繪さんの器たちには、千繪さんから伝わった全てがそこにあります。

今日も良き日に。素敵な一日を。また明日の朝に。

Pompon pot　￥19,800

ティーカップ ￥3,300、ソーサ― ￥2,200

（写真左から）コーヒーカップ ￥3,300、マグカップ ￥3,960

猪口 ￥2,200

HJプレート（ドリッピング）￥7,150


コンポート ￥6,600

ゴブレット ￥6,600

その他、スープ皿などもございます。詳しくは「HJ GALLERY」までお問合せ下さい。

＊8月7日（土）まで、三重県「トンガ坂文庫」とのイベント企画を開催中。
期間限定の本屋さん「HJ BOOKS」として、 ジャンル問わず、魅力溢れる本たちが勢揃いしています。

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