身体から元気が湧いてくる、大塚智美さん(ポニョちゃん)のごはん
~sahanji+(サハンジプラス)より vol.28~
“ポニョちゃん”こと、大塚智美さん(お察しの通り、あの“さかなの子”。きっとお会いしたら、あぁ、ポニョちゃんね~! と納得してしまうと思います)は、たかはしよしこさん主宰の「エジプト塩食堂(S/S/A/W)」で修行し、料理番を勤めていた方。
以前「エジブト塩」を買って以来、いたって普通の家庭料理がプロらしい味になる不思議な調味料がとてもお気に入りだったので、もうすぐその「エジプト塩食堂」で修行していた方が静岡に帰ってきて何かやってくれるらしい、という事を聞き、とても楽しみにしていました。大塚さんは今年、東京から地元静岡へと拠点を移し、今は不定期のイベントで活動されています。
静岡の天然酵母パンとコーヒーの店「breffee store」とコラボしたランチデリとサンドイッチ。サンドイッチには、北海道・洞爺町「佐々木ファーム」のじゃがいも「とうや」が使われています。
静岡に戻りイベントを始めた大塚さんですが、ぜひ食べてみたい、と思っても直ぐにお席が満席になってしまいなかなか機会に恵まれませんでした。それならばと、思い切って「サハンジプラス」でのイベントで、オリジナルのサンドイッチをお願いすることに。もう既に静岡でのイベントで大塚さんのファンになっているお客様も大勢いらっしゃって、当日もあっという間に完売してしまう人気ぶりでした。
やっと念願のお料理を頂いた感想は、美味しいはもちろん、なんというのか、野菜のエネルギーをダイレクトに感じられたような気がしました。以前お客さまから、身体から元気が湧いて“口福”な気持ちになれる、と言って頂いたのが心に響いて、そういう風に思って頂けるお料理がしたいと、ずっと思っているのだそうです。
小さい時からなにしろ食べることが大好きだったという大塚さんは、小学校の社会科で取り上げられた「食糧不足」について真剣に悩み「あ、私はきっと料理に携わる仕事をするんだ」と思ったのだそうです。その後、栄養士となり保育園給食を作る仕事に就きますが、もっと広い視野で料理を学びたいと上京、たかはしよしこさんに出会います。
「エジプト塩食堂」では、「今までの常識が全部ひっくりかえるような衝撃的なことばかり」。出汁の取り方、調味料の使い方から何もかもを一から学び直しました。たかはしさんの作るお料理は、美味しいを超えて感動すら覚えたといます。
自然栽培のものを中心とした定期宅配「青果ミコト屋」の野菜。真剣な想いの詰まった野菜たちに、届くたびに感謝と感動を覚えるという大塚さん。
料理だけでなく、作り手の思いが伝わる食材選び、本物を見極める目としっかりとした価値観をもつこと、真剣に作られた生産者さんの思いを全て受け止めて料理することを学んだと言います。毎日が刺激的だった修行の場からの独立を考えたのは、もっともっと生産者さんの近くでお料理がしたい、その土地で採れたものはその土地で食べるのが一番美味しい、それを地元静岡で叶えたい、という思いが強くなったから。
「叶えられるなら、採れた畑の真横で料理がしたい」と言います。その願望が叶えられるように今いろいろと動き始めたポニョちゃんの今後が、とても楽しみで仕方がないのです。
信頼し尊敬する生産者さんの想いの詰まったお野菜を、丁寧に大切にあますことなく使ったお料理は、生産者さんと大塚さんの良い“気”が幾重にも重なって、身体から元気が湧いてくる美味しいお料理になっているのだろうなぁ、と思うのです。それと個人的には、“ポニョちゃん”のコミカルな一挙手一投足からずっと目が離せません!
2006年、お祖母様の暮らしていた一軒家を改装してオープン。器、道具、服など衣食住にまつわるものや、暮らしになじむオブジェなどが並ぶ。連載「今日のひとしな」の執筆は、店主の河村奈穂さん。
静岡県静岡市清水区堂林2-9-5
TEL:054-353-1155
営業時間:13:00~17:00
不定休
http://www4.tokai.or.jp/sahanji-plus/
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