「今日のひとしな」1月の担当は、「MIGO LABO(ミゴラボ)」の石黒美穂子さん
2016年も残すところあと数時間。新年に向けた準備は万端ですか? 明日、2017年の1月1日から「今日のひとしな」を担当してくださるのは、生活雑貨店「MIGO LABO(ミゴラボ)」のディレクター・石黒美穂子さん。新しい年のスタートにぴったりな、使い勝手がよく、佇まいが美しい衣食住のアイテムを紹介していただきます。連載開始を前に、お店でお話をうかがいました。
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東京・世田谷区の三宿(MI)と目黒区の五本木(GO)をつなぐ三宿通りにあるお店、だから「MIGO LABO(ミゴラボ)」。電車で訪れる際は、東急東横線の学芸大学駅からてくてく歩いて7分ほどです。
ディレクターの石黒さんは、実は雑誌やWEB、広告の世界で長年、フォトグラファーとしても活躍しています。その石黒さんがなぜ、お店を始めたのでしょう?
「写真の仕事を通じて、たくさんの物や人との出会いがありました。最近は、撮影するだけでなく、作品や商品について語ったり、PRを依頼されたりと、仕事の幅が広がっているんです。そんな活動をするうちに、私が出会った素敵な品々を、もう少し積極的に皆さんに伝えてみたくなったんですね。ただ良さを語るだけでなく、自分で買い付けるという”責任“も引き受けて、直接お客様に届けてみたい、と」
ちょうどご主人がフリーランスになったタイミングもあり、夫婦ふたりで「MIGO LABO」を運営することに。とはいえ、ふたりともお店の経営は、全くの素人。しかも50歳を過ぎてからの新たなチャレンジです。
「初めはwebショップも考えました。でも、顔の見えない人と商売をするのが怖く思えて。初心者だからこそ、どんな物が求められているのか、喜ばれるのか、お客様の反応が知りたい。そして、それを作り手の方にも伝えたいと思いました。実店舗であれば、商品を手渡しながら、作家さんの想いをお客様へも伝えやすいですからね」
そんなやり取りを通じて、さらに良いモノづくりのお手伝いができれば……。「MIGO LABO」の“LABO”には、“LABORATORY”=実験室という意味も込められています。
「MIGO LABO」のもうひとつの特徴が、ユニセックスなセレクトであること。基本はディレクターである石黒さんが「これは!」と思ったものを提案していますが、夫婦ふたりが「いいね」と感じなければ、取扱いはしないそう。「私自身がデコラティブなものが苦手というのもありますが、主人の視点が加わることで、男性のお客様にもお買いものを楽しんでいただいています。ご結婚のお祝品をカップルで探しにいらっしゃるケースもありますよ」
お店をオープンしてから、5か月。今、何が一番難しいですか? と尋ねてみました。「仕入れも、接客も、お金のやり取りも、ぜ~んぶ難しい! というのが本音です。レジを打つのも学生時代のアルバイト以来の経験ですから」と笑う石黒さん。
50歳を過ぎての新たなチャレンジは、確かに楽しいだけでやっていけるほど、簡単なものではないかもしれません。けれど、大人のふたりが「いいね」と選んだ品々には、流行やノリだけで提案されたものとは違う、確かな実感が込められています。駅からちょっと離れた住宅地にお店の場所を選んだのも、20年近くこの界隈に住んでいて、お客様の暮らしぶりが想像しやすいため。お店に並ぶのは、シンプルで佇まいが美しく、さすがフォトグラファーのセレクト! と思わせるものばかりですが、そこには、見栄えだけでなく、毎日の暮らしの中で使ったら……という視点が必ず潜んでいます。
明日からの連載でも、そんな石黒さんならではの“実感”を語っていただく予定です。どうぞ、お楽しみに!
写真:石黒美穂子
フォトグラファーの石黒美穂子さんがディレクターを務める生活雑貨のセレクトショップ。作家もののうつわ、かご、キッチン道具のほか、コーヒー豆、お菓子、調味料などの取り扱いも。
TEL 03-6303-3281 営業時間、店休日については、公式フェイスブックでご確認ください。
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