卓越した技術の継承で“昔”の家具が生まれ変わる【マルニ木工】の修理の現場から

令和の家具事典
2024.10.23

※Come home! webに掲載された記事を転載しています

 

「日本の住文化を高めたい」そんな思いで創業したマルニ木工は2023年で95周年。
創業以来変わらず木製家具にこだわり、「工芸の工業化」をモットーに、職人の手仕事と機械加工のバランスを追求した家具を皆さまに提案しています。
「令和の家具事典」ではマルニ木工のこと、そして私たちが作る家具のことなどをお届けしていきたいと思います。
少しでも皆さまの暮らしのお役に立てますように。

 

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#22
新旧職人のコラボレーション


マルニ木工では修理にも力を入れています。メンテンナスしながら使い続けていただくことで、永くご愛用いただけます。
今回はそんな修理の中身をご紹介いたします。


修理工場でもあまり見かけない、とても貴重なブルボンという名前のソファの修理を承りました。

 


ロゴも二世代前の孔雀マーク。この孔雀のマークが付いたものは、中古やヴィンテージ家具好きの間では「オールドマルニ」という愛称で親しまれています。ロゴのプレートは金属製で、当時の家具の中でもグレードの高い家具であったことがわかります。

 


図面通りに生地をカットして実際の家具に張っても、当時とは生地や材質も異なるため、ズレやヨレなどが発生してしまいます。これが修理の難しいところです。そのため、本番の生地で張る前に、余っている生地などで試し張りを行います。何度か微調整を繰り返し、きれいに張れる形を模索します。

 


形が決まったら、本番の生地で裁断、縫製を行っていきます。

 


縫製する際は糸が目立つことが無いように、数十種類の中から適切な糸を選択します。

 


背もたれは一見すると1枚の生地を張っているように見えますが、実は中心に繋ぎ目があります。継ぎ目で柄が美しく合うようにしています。

 


生地を張り合わせているのには理由があります。それは生地の幅が決まっているためです。通常、生地の幅は1,300mm~1,400mm程度が標準サイズですが、今回のソファは幅が1,900mmあり、1枚では張ることができません。

 


目を引く背もたれのボタンはこのソファの大きな特徴の一つです。職人が手で一つ一つ取り付けており、背裏に出ているボタン締めのヒモの数が、その作りの複雑さを物語っています。

 


縁の鋲も職人が鋲打ち機という機械で1本1本打っていきます。ただ、場所によっては鋲打ち機でうまく打てない箇所があり、そこは木槌で1本ずつ丁寧に打ちます。何の目印もなく、リズミカルに鋲を打っていく様子はまさに職人技です。
鋲を打つ様子は過去のリフォームブログでもご覧いただけます。

飾り鋲 - マルニ木工 公式サイト - Maruni

 

このソファは卓越した技術を持つ職人がつくり、その技術を継承したスタッフがリフォームを施しました。まさに弊社の職人魂が詰まったソファです。


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