【子どもと一緒に料理】暮らしを楽しむ人のキッチンをお手本に③(前編)
※Come home! webに掲載された記事を転載しています
食べることは生きること。これは、とてもシンプルで揺るぎのない真理です。その大切な食事を作る「台所」は、みなさんにとってどんな場所でしょう? そこに何を求めているのか、模索するのもいいものです。これまでの記事で、そのためのヒントを教えてくれる“台所時間が上手な人”を紹介しました。本日より登場する3人目は、2人の子どもを育てる山本さん。子どもたちとキッチンに立つことで、食事の大切さや台所仕事を自然な形で伝えています。
この記事は、Come home! vol.69より抜粋しています。
case 03 遊んで育つキッチン
食べることに興味のなかったうちの子たち
苦肉の策で試みたのがお手伝い作戦です
遊びの延長で食材を扱ううちに
少しずつだけど変わってきました
〈山本静香さん〉
ここが、わが家のキッチン。リビング全体を見渡せる対面式で、子どもたちと並んで作業ができるゆったりサイズ。
わが家の子どもたちは姉弟そろって激しい偏食。お姉ちゃんにいたっては、野菜も肉も果物も嫌いで、お米以外はまったく食べなくて、私の頭の中はいつも〝どうしたら栄養をとらせられるか〟という悩みでいっぱいでした。少しでも食べることに興味をもってくれたらという願いで思いついたのが、一緒におやつや食事を作ること。嫌いなものでも自分で作ったら、どんな味がするのか食べてみようと関心をもつかもしれないと思って。
週末のおやつ、何作る?
最近は娘から聞いてきます
おやつ作りのなかでもお気に入りが粉を使ったメニュー。毎回、真剣勝負です。
お姉ちゃんはだいぶ上手に生地をのばせるようになりました。
思いきりのよさゆえに、大きさにかなりバラつきがあるのはご愛きょう。
野菜を洗ったり切ったり
ままごと気分でOK
お手伝いのスタートは手洗いからというルールもしっかり身につきま した。
自分専用の包丁で野菜を切るのはお姉ちゃん、洗うのは弟の係。 二人とも真剣に取り組んでいるから、 なるべく手を出さずにまかせます。
子どもたちが切った野菜は不ぞろいだけど、自分で切ったぶん大好きなコーンやさつまいもがさらにおいしく感じられているみたい。
子どもたちにとっては単純に遊びの延長ですが、この食材は体にとってこんな効能があるんだよと食材の特徴、食べられる時期などを説明しながら、私なりの食育の時間としてこのお手伝いタイムを大切にしています。
そしてもうひとつ、少しでも栄養価が高いものを口にしてほしいと調べるうち、発酵食品を使ってみることを思いつきました。
わが家の食育の立役者は麴
これがあると食べてくれる!
左から甘酒、塩麴、醤油麴。これだけは欠かせないわが家の自家製定番調味料です。
昨年子どもたちと一緒に仕込んだ味噌。味噌作りも楽しかったみたい。
簡単かつ野菜がおいしくなる蒸し野菜は食事やおやつによく登場するメニュー。 野菜の甘みが際立つので子どもたちも喜びます。味の変化が欲しいときにはちょっとだけ味噌をつけるのもあり。
お味噌汁は飲んでくれるので、毎日夕食にはていねいに出汁をとった具だくさんの味噌汁を作ります。試しに野菜や肉を麴に漬け込んだら食べてくれたので、何にでも麴を使うようになり、今では砂糖代わりに甘酒を使うくらいわが家では発酵調味料が定番となっています。 発酵食品には整腸作用もあるから、悩みだった娘の便秘も解消し、子どもたちの体調がずいぶん安定しました。激しい偏食もだいぶ改善されて、最近ではお姉ちゃんは出されたものはほぼ食べられるようになりました。
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