香菜子さん、中国茶と読書で穏やかに過ごす午後【前編】連載vol.52
少しずつ日差しがやわらかくなってきた今日この頃、いかがお過ごしですか? 香菜子さんとお届けしている連載「日々にピタリなもの」。今回は、香菜子さんが最近ハマッているという中国茶と、最近読んだ本についてお伝えしていきたいと思います~。
今回、久々に香菜子さんのご自宅にお伺いしたところ、リビングに置かれている食器棚の雰囲気が少し変わった気が……。以前より大人っぽく、落ち着いた感じになったような?
「もしかしたら、中国茶の器や道具が増えてきたからかもしれません。最近習い始めたのですが、欲しいものがどんどん出てきてしまって……」
中国茶を淹れるのは
普段使いの器や道具で
わあ、それならぜひ飲ませていただきたいです~。
「うふふ、お点前はまだまだですが、いま少しずつ揃えているものを並べてみますね。中国茶専用の道具はほとんどなくて、日常使いのものを組み合わせて楽しんでいる感じです。自分が好きなものばかりだからか、それぞれ別々に購入したのに、並べると不思議と統一感が出るんですよね」
左の白い茶杯は井山三希子さん、その下の台は平井悠一さんの丸いお重、茶壺(ちゃふう)という急須は桑原典子さん、下の台は実はお皿で菊地亨さんの作。
手前の茶則(ちゃそく)という茶葉置きは渡辺遼さん、茶針置きは出西窯で、茶針は台湾で購入したもの。
ガラスの茶海は小林裕之さん・希さん、右上のお湯を捨てる道具・水盂(すいう)は近所のギャラリーで見つけた花瓶で代用しているそう。
ほーっ! 格好いい! 下の敷物のシックな色合いと質感も効いていますね。
「あ、気づいてくれました? 実はこの卓布、父と共に制作したものなんです」
親子共作とは、なんと素敵な! 以前もこの連載で作品をご紹介しましたが、香菜子さんのお父さまは染色工芸家の田尾日出郎さん。暖簾やタペストリーのほか、こういった小物も多く制作されています。
茶器や道具を引き立てる
父と制作した卓布
「このシリーズは、形と色を私が指定して、父が染めたもの。日本の伝統色を使っていますが、この雲のような形が軽やかだから、普段の食卓でも使いやすいんです」
ちなみに色を選ぶ際は、こちらの本を参考にしたそう。
「選んだのは……あ、これです! 柿渋色! 今回は実際に柿渋を使って染めてもらいました。柿渋を使うと布の強度が増すのと、使い込むほどに色が濃くなって、どんどん格好よくなるんです。今後もいろいろなものを二人で作ってみたいですね」
商品シールに記された「Tao」のロゴも、香菜子さんの手によるもの。
「Taoは名字でもあるのですが、中国語で『道』という意味もあるらしくて。お茶を自分らしく楽しく追求する道、といった意味も込められたらと思ったんです」
さらにロゴの下には、こんな文が添えられています。
「This craft work is brought to you by Father-Daughter craftsmanshipment.(この作品は父&娘の職人技により作られたものです)」
こんな素敵な親孝行の形もあるのですね~。ジーン。おいしい中国茶をいただきながら、感動しきりの編集部スタッフでした。
Profile
香菜子
モデル、イラストレーターとして活躍する傍ら、ホテル備品をイメージしたプロダクトブランド「ホテルヴィルヘルムス」を主宰。パンツしかはいていない謎のキャラクター「おぱんつ君」の生みの親。
Instagram「@kanako.lotaproduct」「@opantsukun_lota」
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