【フリッツ・ハンセン】創業150年でよみがえった幻のラウンジチェア
※Come home! webに掲載された記事を転載しています
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No.29
ラウンジチェアPK0 A
復刻品「PK0 A」誕生の秘話
ラウンジチェアPK0は1952年にポール・ケアホルムによってデザインされ、今年、FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)創業150周年で「PK0 A」として復刻販売された幻の作品と言われています。
ポール・ケアホルムは、1951年にフリッツ・ハンセンに入社しました。フリッツ・ハンセンは従来、外部のデザイナーとのコラボで製品を作り出しているブランドのため、デザイナーとしてポール・ケアホルムが入社したことは極めて異例な出来事です。
入社後、PK0という木製チェアをデザインしましたが、当時の社長ソーレ・ハンセンに製品化を却下されてしまい、彼はフリッツ・ハンセンを去ることになりました。
そしてくしくも彼の没後、PK0は1997年フリッツ・ハンセン125周年記念で600台のみ限定で製品化されましたが、その後今回の復刻まで一度も世に出ることはありませんでした。
彼は、フリッツ・ハンセン退社後に約4年間にわたり家具の素材への探求を続けました。その長い試行錯誤の末たどり着いたのが、ステンレスだと言われています。
その後、彼はステンレスを使った数多くの名作を生み出しました。
そのため、彼の作品の中で唯一すべて木製のチェアの「PK0 A」は大変貴重な作品です。
高い技術だからできるシンプルな構造
「PK0 A」は、よく見ると2枚の成形合板が曲線を描きながら巧みに組み合わされている構造です。背もたれの下の方の細くなった部分に急な角度をつけ湾曲させることは特に高い技術を必要とします。こうすることで背もたれがしなるため身体にフィットし楽な姿勢で座ることができます。
成形合板の高い技術を熟知したフリッツ・ハンセンでさえ、制作が難しいPK0は長い間復刻されなかった幻の作品です。
© Nacása & Partners Inc. FUTA Moriishi
日本の空間に馴染むポール・ケアホルムの作品
ポール・ケアホルムの制作拠点であった自宅は、親日家のハンナ・ケアホルムが設計しました。随所に日本文化が取り入れられていたので、彼の作品は伝統的な日本の空間とも相性が良いといわれています。
日本の数寄屋造りは質素ながら趣のある空間が好まれ、「わびさび」の美しさを表現しています。
ポール・ケアホルムの無駄を極限まで取り除く作品へのストイックな姿勢は、茶室のしつらえのような余計な装飾を取り除いた日本の美意識へ通じると言えます。
FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン) /PK0 A(ピーケー0 A)
Material:本体シートとベース/成形合板 スペーサー/EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、スチール グライド/ハイトレル 3548(熱可塑性ポリエステルエラストマー)
Size:W660×D625×H660(約mm)、SH400(約mm)
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