【フタナ#04】インドの美しい手仕事が伝わる「GUPTIHA(グプティハ)」の服

おしゃれさんコーディネート
2024.09.12


皆さまこんにちは、京都「futana(フタナ)」の土井です。今回の4日間特集も、あれよあれよと最終日。今日も皆さまの休憩のお供としていただけましたらうれしいです。



今日ご紹介させていただくのは、まだ生まれたばかりホワホワのブランド「GUPTIHA(グプティハ)」。その名はインドの言語を元にして作られており、「まだ多くを知られていない未知なること」という意味です。



インドの手仕事布を、ブランドを通して伝えたい。インドの手仕事に、GUPTIHAならでは視点を通してその布を長く続いてゆくものとしたい。古くから続く技術と文化に添うひらめきで新たな流れを創ろうとする、小さくも強い軸をもつ作り手です。



ブランド自体は生まれたばかりですが、そのバックグラウンドは洋服作りのプロの集まりです。ディレクターは「futana」でずっとお取り扱いをさせていただいている「Vlas Blomme(ヴラスブラム)」創業者・石井さとしさん。石井さんからこのGUPTIHAのお話を聞いた時、ピピピッと共感アンテナが働いて、厚かましくも自ら京都アンバサダーとして名乗りを上げさせていただきました。えへへ



GUPTIHAの洋服づくりを現地で支えるのは、先日インドで国民栄誉賞を授与されたスゥミトラさん。デザイナーとしてインド手織りの伝統継承と発展に寄与したことに対するアワードでした。


昨年、スゥミトラさんファミリーと石井さんの四人で「futana」に寄ってくださり、その時はまだブランドは出来ていなかったように思いますが、土台があれば何かが始まることはそこまで難しくないのだと石井さんたちを見ていて感じます。


写真左が石井さん。この日、チュニックを手にしていただいたお客さまとパチリ。




私がGUPTIHAに共感するポイントはいくつもありますが、その一つが「インドならではの美しい手仕事・技術を、インドとは異なる国の人たちも広く楽しめる形で手に出来る」というところ。

10年の商社での海外事業を経て「Vlas Blomme」でリネンを探求し、その魅力を広く行き渡らせた経験をもつ石井さんならではの感覚と、インドの職人としての心持ちと技を持つスゥミトラさんとの細やかな共同創作活動の賜物だと思います。



例えば、「コットンとリネンの交織の生地を手織りで作ってみたい」という石井さんの探求心を的確に反映し、インドで洋服の形にまで仕上げ日本へ送ってもらう……。文章からだけではわかりづらいですが、実はこれはとても画期的なことなのです。



インドでは、コットンやシルクは広く流通していますが、リネンは先の二つほどに良きものは国内に流通していません。それは、気候や確保できる土地という自然由来の理由によるもので、良いリネンを使って生地を作りたいとなるとヨーロッパから送ってもらうのが今考え得る最良の案だと言えます。

ここで、石井さんが培ってきたリネン流通の腕が活かされます。石井さんがベルギーでピックアップしたリネン糸がインドへ送られ、そこでスゥミトラさんが職人たちと連携して生地を作り上げる。希望する仕上がりに着地させる、というのはとても難しいことですがそれを粛々と作り上げているのです。肌触りだったり厚さだったり、染められたものであれば希望通りの色を出すのはさらに難しくなりますが、仕上がってくる生地には安定感があります。



インドの手仕事布、と聞いて月曜日にご紹介した「Maku textiles」と奈良の「CALICO」を思い出していただく方もいらっしゃるかと思います。インドの手仕事布を作り、伝え、続けてゆくという、美の表現を軸に洋服を創る「Maku textiles / CALICO」と、インドの手仕事布を軸にまだ見出されていない使い方を探求する「GUPTIHA」。インドの手仕事布を広く伝えたいという共通点があります。ただ、それぞれ纏うシーンは異なると感じています。



先の月曜日でご紹介したように、Makuの洋服は私にとって、とっておきの一枚。特別な場所、大切な時に着てゆきたい洋服です。対してGUPTIHAの2024年のメインコレクションは、デイリーユースな一枚だと思います。気兼ねなく毎日、しっかり使ってしっかり洗って。日々のローテーションにしたい洋服です。



もちろん、時を経ていく中で両作り手さんとも、その時その時代に見たものや感じたことで作り出すものも少しずつ変化していくと思います。その変化も含めて、両ブランドが作り出す洋服をこれからも見させていただきたい、そう思っています。



今日は何だか洋服のご紹介というよりも、私の頭の中の一部を読んでいただいたという形になりましたが、締めくくりにアンバサダーとして。

GUPTIHAは今、何でもやってみたい、何でも作り出してみたいという気概に満ちています。それは洋服だけでなく、ホームファブリックやウエディングに至るまで本当にさまざま。そして同時に皆さまとのつながりを強く願っています。作り出したものを使ってくださる方があってこそ、手仕事布が広まってゆきます。


「futana」でもGUPTIHAのイベントをコンスタントに開催していきたいと思いますが、他にもお取扱店が増え、そして皆さまに手にしていただけることを私も願っております。いつかどちらかで、皆さまにGUPTIHA(グプティハ)をご覧いただけますように。



今回も4日間、「futana」の記事をお読みいただき本当にありがとうございました。画面の向こう側に皆さまを感じながら文章を書くのは、とても楽しいひとときでした。ご紹介させていただいたお洋服等のお問合せはinfo@futana.shopまでいただけましたら幸いです。



それでは、今日も良き一日となりますように。
心地よい流れとなりますように。

futana

 

←その他の「futana」の記事はこちらから

futana(フタナ)

京都市上京区中小川町241-6
TEL:075-406-5337
営業時間:10:00~18:00
不定休
https://www.futana.shop/
Instagram「@futana_kyoto

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

ページトップ