100年前に作られたワイングラス
~レクトホールより vol.11 ~
今日は1900〜1930年頃のワイングラスをご紹介します。
レクトホールには、相反するイメージを自然に保つものが多くあります。温もりがあって優しい質感、でもデザインはミニマムで素っ気ない印象、そんなバランスを持ったものに魅力を感じます。
今日ご紹介するグラスたちにもそういった両方の表情があります。
こちらは、空中で竿をまわしながら息を吹き込んで形作る宙吹きのタイプ。トロッと揺れる表面に思わずうっとりしてしまいます。大きさも同じではなく、それぞれに個体差があります。
こちらは、型に流して息を吹き込む型吹きのタイプ。メラメラとした透明感がきれいで形は均一でツルっとしています。気泡の入り方がひとつ一つ異なります。
どちらも個性が愛しくて、ガラスでありながらも時を経た温もりがあります。
文明の過渡期。20世紀半ばからは型に入れ、今度は機械吹きの製法に変わります。
ここからは現代のグラスに近いものになって行くわけですが、今、古い宙吹きガラスに魅力を感じるのと同じように、あと数十年したら、この時代に作られた機械吹きのガラスも、また次の世代の目に新鮮に映るのかも知れません。
遠い時代に別の国で作られたものが、今の感覚で美しいと感じるのは奇跡的で、感動してしまいます。
ワイングラスといっても、お水やジュース、自分らしい使い方で自由に楽しんでみてください。
アンティーク・ヴィンテージ ワイングラス
¥2,500+tax〜
クリーンでジェンダーにとらわれない服、装飾や汚れをそぎ落とし、シンプルで清潔感のある仕上がりを目指したアンティーク家具、個性が光る作家ものの器などを扱うショップ。デイリー連載「今日のひとしな」のコラム執筆は、オーナーの廣田佐知子さん。
東京都渋谷区恵比寿南2-15-6 greenhills GF TEL 03-3716-1202
12:00~19:00 月曜定休 http://rectohall.com
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